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食事会
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テーブルの上には、見事な料理が並んでいる
でも、お預け状態
「兄貴達まーだー?」
「もう少し待ってなさい」
「腹減ったよー」
予定の時間になっても現れない兄貴達
腹の虫は、先ほどから鳴りっぱなし
「高志、もう少しだけ待ってみよ?」
「岬が言うなら…」
大人しく待つ事30分
「あー、もう限界!!」
そう叫んだ時に家のチャイムが鳴った
「あら、来たみたいね」
母さんが玄関へと出迎えに行った
早く料理を食わせろ!
イライラしだす俺を、岬が宥める
「いやー、悪いな…」
兄貴達がぞろぞろとリビングに入ってくる
揃いも揃って、デカいから
リビングの人口密度は一気に上がる
このデカさは、家系なんだろうな
「あれ、和泉さんも来たの?」
「高志君、聡が一緒に行こうって誘ってくれて…俺の仕事上がるの待ってたから、遅くなってごめんね」
「いや、和泉さんなら全然(笑)」
岬が突然、俺の袖を引っ張った
「ん?どうした?」
何も言わずに、引っ張った袖にしがみ付いた
あれ…もしかして…
「岬、和泉さんには会ったことあるだろ?」
「え?」
岬はしがみ付いていた手を離して、ゆっくりと和泉さんを見た
「あっ!!」
「な?大丈夫だよ。和泉さんは聡兄の恋人だから。変な心配するな」
頭を撫でてやると、恥ずかしそうに頷いた
やっぱり、仲良く話す和泉さんとの仲を疑ってたらしい
「岬君だったかな?久しぶりだね」
「お久しぶりです…」
「挨拶は後にして、とりあえず食べない?俺、腹ペコ…」
ぐぅと鳴ったお腹に、皆が笑い出す
仕方ないじゃん、お腹空いてるんだから
「いただきまーす」
一斉に声をかけ、ここから死闘が始まる
「あっ、俺の海老フライ取られた」
「それ、俺んだ!」
「そっちのポテサラ取って」
「こら、俺の飯!!」
うちの食事は、弱肉強食
取ったもの勝ち
食べたければ、奪い取れ
岬は呆気にとられ、箸を持ったまま動かない
俺が奪い取った戦利品?を岬の皿に乗せてやった
「ほら、食べな…うちいつもこんなんだから、食べないと取られるぞ?」
「え?そうなの?」
「他に食べたいものあれば教えて。取ってやるから」
「うん…」
海老フライをパクパクと食べ始めた
やっぱり、小動物っぽい
箸を置いて、髪を撫でてやる
ポッと頬を染め、モグモグと咀嚼している
「サラダ食べるか?」
口の中に入ってる為か、こくりと頷いた
サラダの皿に手を伸ばすと、大兄が皿を持ち上げる所だったので、無理矢理奪った
「これ位でいいか?」
食べられるであろう量を皿へと移す
その後も、次々とおかずを皿へと乗せてやった
その間俺は食べられないわけで…
あっと言う間に、テーブルの上は空の皿が並ぶ
俺に残されたのは、白いご飯と鱈フライ
「高志、あーん」
岬がサイコロステーキを口元に寄せてきた
それを躊躇する事なく口へ入れた
「うまっ」
「これも食べていいよ」
「マジで?」
次々と箸で運ばれるおかずを食べた
「美味しい?」
「岬のご飯なら、どんな物でも美味しいよ」
カチャンと言う音が聞こえて、横を見た
「お前ら、何2人の世界作っちゃってるの?」
「あっ、居たの?(笑)」
「居るわ!めっちゃ見てたわ!この、馬鹿弟」
何故か拳骨が降りてきた
「いってー。マジなやつじゃん」
「それでも足りんわ!このアホが」
「美津兄、なんか黒くね?」
「今更か!」
「飯食ってただけじゃんか!」
「イチャつきながら食えとは言っとらん」
「どんな食べ方したっていいだろ」
「ムカつくわ」
「あ、僻んでんだな…さては」
「う、煩い…」
「図星か(笑)」
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