アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
不法侵入と盗聴
-
「大兄…何度もごめん」
「どうした?」
「家の中に、誰が入った形跡がある…」
「は?おい、それは本当か?」
「多分、寝室の壁に貼ってあった写真が脱衣所に落ちてた…俺、どうしたらいい?」
「今は家なのか?」
「いや、車の中。でも、家には岬が寝てる。何かあったら困るから、下まで降りて電話してる」
「じゃあ、とりあえず俺と真守と聡でそっちに行くから、なるべく普通に過ごしてろ。いいな」
「うん」
「とりあえず、岬君の所に戻ってあげなさい。起きたら、携帯の画面で事情説明しろ。声には出すな。いいか?」
「うん」
「おい、お前がしっかりしないでどうする!いいか、すぐに部屋に戻るんだぞ」
「分かった」
車を降り、急いで部屋へと戻り寝室を確認した
また、岬は眠っていた
良かった…
リビングのソファーに身体を預けた
目で周りを確認する
普段と変わった所は無いはず…
何も、こんな時に…
程なくして、兄貴達が到着すると、真守兄が盗聴器とカメラを探した
寝室とリビングとトイレに仕掛けてあったらしい
コンセントから電源を取るタイプの物らしく、コンセントから抜いたので話しても大丈夫だと言われた
「高志、何か心当たりあるか?」
「これと言ったのは特に…でも、今日の昼間ファンだって子に声掛けられて…」
昼間あった事を話した
「たぶん、金になると思って何処かに売ったな…」
「俺もそう思うわ…なぁ、高志…少しホテルで暮らすか?ここも安全とは言い切れない」
「聡兄…岬が居るうちは、ここにいる。明日には帰るから、そうしたらホテルに移るよ」
「寝てるの起こしちゃ可哀想だしな…じゃあ、手配しておく。あっ、一応壁の写真とかは全部剥がしてホテルに持っていけ」
「高志、これは犯罪だから警察には報告するぞ。いいな?」
「うん」
「それと、駐車場で見た車はまだあったか?」
「いや、2度目の時は無かった…いや、ちょっと待って…」
ベランダを開け、下を覗き込んだ
公園の近くの脇に同じような車を見つけた
「真守兄、公園の近くに居る…たぶん、あれそう…」
「じゃあ、近くの交番に連絡してパトロールしてもらうように手配する」
ベランダからリビングに入り、テーブルを囲むようにして床に座った
真守兄は、何処かに電話を掛けている
「前にも、こう言うのはあったのか?」
「いや、ここまでは無かった。前に聡兄と食事した時につけられたけど…俺の仕事が仕事だから、放っておいたんだけど」
大兄が腕組みして唸る
「どこのやつか調べられれば、こっちで対応する。心配するな。全部俺たちに任せろ…お前は、岬君を守ってやれ」
「ありがとう…」
「ひとつだけ確認しておく…お前は、仕事を辞める覚悟はあるのか?」
「俺は、最初から岬と一緒になる時には、今の仕事は辞めるつもりでいる。デザイン一本でも食べていけるから」
「そうか…分かった」
「聡兄にも、それは最初に言ってある」
「あぁ…そうだったな。まあ仕方ないさ。高志がしたいようにするのが一番だよ」
「パトロールにすぐに向かってくれるそうだ。すぐに相手の素性も所属先も判明するさ」
「こんな遅くにごめんね…」
「こんな時に頼らないで、いつ頼るんだ?兄弟なんだから、そんな事気にするな。いいな」
「うん」
「今日は、もう何も起こらないだろうから、そろそろ帰るよ」
「そうだな…明日の朝、起きたら連絡くれ高志」
「分かった、聡兄」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
93 / 626