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君のために作る朝食
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そっとベッドを抜け出し、朝食の支度をし始めた
今日は、和食にしてみようか
冷蔵庫から食材を取り出し、メニューを考える
岬は、毎回こうして考えているんだろうな
俺には、出来ないな
岬の為になら出来るが、岬が帰ればいつものようにある物を適当に作り食べる
メニューなんて考えた事がない
男の料理らしいと言えば、らしい
でも、栄養やらを考えると、俺の作る物は不摂生極まりないだろう
美津兄から送られてきたアジの開きがあったはず…
冷蔵庫の中を漁り、目的の物を取り出しグリルへと入れた
卵焼きも作ろうか
味噌汁もいるな
ご飯は冷凍の物があるし
あとは…
いつもは楽しいと思わない料理も、誰かに食べさせると考えると、途端に楽しくなる
人間とは不思議な物だ
顆粒の出汁を鍋に入れ、水を張って火にかけた
沸騰する寸前に、豆腐を入れ味噌を溶き入れる
ワカメも入れようか…ネギの方が良いだろうか
この際だ、どっちも入れよ
卵をボウルへ割り、かき混ぜる
砂糖と白ダシを入れ、熱したフライパンに流し込む
フツフツと出る気泡を箸の先で潰し、端から折りたたんでいく
結構集中力がいる
巻き終え、新たに卵液を注ぎ込む
少し形は崩れたが、味は変わらないだろう
まな板の上に焼きあがった卵焼きを乗せ冷ましておく
グリルの鯵を返し、また冷蔵庫を漁り始めた
他には何か無いか?
キャベツとキュウリを見つけ、シンクへと置いて洗った
包丁で適当に切り、塩昆布をまぶして揉み込んだ
即席の浅漬け
焦げ臭い匂いに気付き、グリルを開けると、鯵の皮は少し焦げていた
「やっちゃったよ…」
皮の部分だからいいか…
皿に乗せておく
何せ一人暮らしだから食器がない
大きめの皿に魚を乗せて、切った卵焼きと浅漬けも乗せる
レンジで温めたご飯を茶碗に盛る
いつだったか気に入って買った夫婦茶碗
それと揃いで、汁椀も買っておいてよかった
テーブルへと並べて、岬の元へ起こしに行く
まだ少し早いが、帰るまでの時間は互いの目を見て話していたいからと、自分の我儘で起こした
「岬、起きて」
「ん、高志…おはよう」
「おはよう、ほら目開けて」
ベッドの端に座り、頬を撫でるとくすぐったいのか、腰に手が回った
「ふふふ、高志の匂い」
「朝ご飯冷めちゃうよ?顔洗っておいで」
「え?もうそんな時間?」
「まだ6時だよ。ちょっと早いけど、ご飯にしよう」
あっ、と口に出して言葉を飲み込んだ岬
俺の気持ちが分かったのか、少し寂しそうな顔をする
「抱っこで連れて行こうか?」
「ううん…起きる」
「そう?じゃあ、リビングで待ってるね」
くしゃりを髪を撫でベッドから立ち上がり寝室を出て、洗面所へと向かう
タオルと歯ブラシを出し、脇にそっと置いてリビングへとまた戻った
確か、お茶っ葉があったはずだな…
シンク下のカゴを引っ張り出し漁る
「あった、あった」
カゴをしまい、湯のみと急須をお盆に乗せテーブルへと運んだ
ポットに水を入れ、テーブルの上にセットする
あっという間にお湯が沸く
お湯を急須に入れるのは、食べ終わる直前でいいか
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