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もう大丈夫
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「手術は成功ですって、良かった」
岬のお母さんが、心底ホッとした様に呟いた
「安心しました。約束守ってくれたんですね」
「危機は脱したから、回復したらリハビリで、時期を見て退院出来るそうよ」
「お父さん、結構ビビりだからね。大袈裟なんだよ」
そう言った岬の目には、涙が溜まったいた
「早く良くなってくださいね…俺も頑張りますから」
「高志?」
「ん?こっちの事(笑)」
「ふーん」
頬を膨らませて、ジロリと睨まれても可愛いだけなんだけどな…
って岬に言ったら、確実にキレるな
言わない方が良いこともあるって事を、俺は岬との2人の生活で知った
もちろん、隠し事はダメだけど
岬もその辺は分かっているのか、言わない時もある
まぁ、顔を見ればすぐに分かるんだけど
「岬、良かったな」
そう言って肩を叩くと、堰を切ったように泣き出した
「あらあら…こんな所でみっともない。泣くなら外に行きなさい。高志君、岬をお願い」
「はい、岬おいで」
手を繋いでICUを出た
近くのソファーに座らせハンカチを取り出して涙を拭いてやる
「ほら、鼻もかんで…」
ティッシュを渡すと、ズズっと鼻を鳴らしながらも鼻をかんだ
「岬、今は誰も通らないだろうから…おいで」
そう言って腕を伸ばして広げると、吸い寄せられる様に胸の中に納まった
「よく頑張ったね。もう大丈夫だよ」
背中を撫でながら抱きしめた
とどまる事を知らない涙が、俺のシャツに染み込んでいく
今だけは、甘やかしてやりたい
また明日から、忙しい日々が始まるのだから
「岬、ちょっと上向いてごらん」
頬を手で挟み込み上を向かせると、目を赤くしてなおも泣き続ける岬の顔が見えた
「泣き虫…でも、可愛い」
そうやって茶化しながら、赤くなった目元にキスをした
チュッ、チュッと何度も何度も
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