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告白という名の脅迫
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「嫌ッ…んんっー!!」
抵抗しようとしても、手は封じられ足も壁と奴に挟まれ動かすことが出来ない。
顔も左手で固定され唇から逃げられない。
嫌だ嫌だ!どうしてこんな奴とキスしないといけないんだっ!
「観念しろよ」
「やめろ!気持ち悪ッ…ン…やっ!」
奴が口を離した隙に抵抗の言葉を吐くが、それが間違いだった。
開いた口を奪われ、ぬるりと生暖かいモノが口の中に入ってくる。
し…舌!?は!?
「ぁ…ヤァッ…クチュ…」
奥に引っ込めたはずの舌はいとも簡単に絡め取られ、クチュクチュと唾液の混ざり合う卑猥な音が響く。
奴の舌は上顎を往復してから、ゆっくりと歯列をなぞりあげた。
嫌なんだ。嫌いなんだ。
それなのに自分の意思と反して、体がビクッと跳ね気持ち良さに吐息が甘くなっていく。
足の力が抜け腰に熱が集まるのが分かる。
「ふぅ…アッ!んぁ…クチュ…グチュ…」
息が吸えないほど激しく、僕の口の中を我がもの顔で攻め立てる。
ふわふわと快楽の波に飲まれて行き、頭が真白になって何も考えられない。
──気持ちいい…
カクンと折れた足。咄嗟に奴が僕の手を離し、腰に回して抱き抱えるように支えてくれた。
より密着する身体。
熱い…。
キュッ…と無意識のうちに奴の胸元を握りしめていた。
ぁ…もっと──
ピピーーーーー!!!
「っ!!嫌っ!!」
流されていた僕の意識を戻したのは、外から聞こえた笛の音。
サッカー部の音…。
力は入らなかったけど、奴の胸を叩くと最後にチュ…といやらしく音をたて、やっと離れた。
「はぁ… はぁ…」
「初めてのディープキスも奪っちゃったな」
「てっめぇ…ッア!」
「感度良過ぎ」
睨もうとした僕の口の端から零れ落ちた唾液をぺろりと舐め取られ、また身体をびくつかせてしまった。
クソッ!!
妖艶な笑みを浮かべ、余裕なソイツに対して無性に腹が立つ。
僕だけこんなにっ乱されて…
いいように遊ばれて…ぅ…死にたい…。
離れたくても今だ力の入らない足腰。奴に支えてもらわないと立っていられない状況。
ムカつくムカつくムカつく!
「なぁ泪」
顎を持ち上げられ奴に真っ直ぐと射抜かれる。
「お前、俺と付き合えよ」
「は?冗談キツイって!誰がお前なんかと!」
こんな無理矢理キスするようなエセ爽やか野郎とは例え100万円くれると言われても絶対に付き合いたくない。
嫌悪感を込めて睨みあげるが、奴は鼻で僕のことを笑い飛ばす。
そして言い切る。
「お前は俺のこと好きになるよ」
自信満々の強い瞳で、偉そうに、僕の上から。
………頭にきた!!
「ならない!死んでも好きになんてなるか!!クソモデル!」
やっと復活した力で、顔面を殴ろうとしたがあえなく失敗。また奴に止められた。
「威勢がいいのも今のうちだ。とりあえず、俺のモノってことで」
「勝手にモノにしてんじゃねぇ!!僕はならないぞ!」
「それは無理。俺が今決めたから、お前は俺のモノ。分かった?」
はぁぁぁ!?お前はどこの貴族だ!?
自分中心に世界が回ってるとでも思ってんのか?ぁあ?
何でもかんでも思い通りになると思ったら大間違いだからな!
「拒否する!兎に角離せ!」
「はいはい。これからが楽しみだな、泪」
「何が楽しみだボケ!餓死しろ!」
ついに開放された僕は、鞄を掴み捨てセリフを残し教室から全速力で逃げ出した。
誰が好きになるか!!あんな腹黒野郎!!
僕にまとわりつく奴の香りを、熱を振り切りたくて、寮までノーストップで走り抜けた。
────そんな僕とクソモデル野郎とのやり取りを、見ていた人物がいるとも知らずに…。
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