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※信じろ
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正面から抱き合い素肌同士が触れ合うと燻っていた熱がさらに盛り上がる。
ぎゅっと背中に手を回すと遥海がさらに僕のことを引き寄せ耳朶を口に含んだ。
「やめ…音が…」
ぴちゃぴちゃと頭の中に直接響く音にビクっと身体が震えた。
「マジで可愛い」
「ふぇ…ず、ずるいっ…バカ」
「ずるくねぇよバカ。言っただろ?俺がどれだけ想ってるのか教えるって。お前は大バカだから、ちゃんと言葉にして甘やかさないと分からないんだろ?」
「うるさいッ…」
「可愛い」
可愛いを連呼して僕のことを甘く見つめて...殺す気かっ!?
背中に回していた腕を慌てて外し遥海の胸に当て突っ張り離れようと試みる。
思いっきり俯いて僕の最大の力を腕に込めているはずが、遥海はそれ以上の力を発揮してくる。
んのバカ力野郎!!
「無理!無理無理!離れろ!」
「それは無理」
「ぐぬぬー!」
力比べは完全に惨敗。それでも諦め悪く続ける僕を、相変わらず心臓に悪い瞳で見つめていた。
クスクス笑ったり、ちょっと力を緩めて弄んだり。
けれど絶対に僕を離そうとはしないんだ...ほんと質が悪い。
「はぁはぁ」
「気は済んだか?」
「...知らん!」
半笑いで尋ねられ僕はムッと頬を膨らませた。
こっちはちょっと疲れたってのに!
「あ、怒った」
「怒ってない!」
「ふっ。怒った」
「だから—―ッ」
不意に顔にかかった影。
僕の可愛げのない憎まれ口を封じ込めてしまう。
ちゅっと可愛らしいリップ音。柔らかい感触は唇から、今度は膨らんでいた頬に振ってくる。
押し当てられた瞬間ふしゅーっと空気が抜けて萎んだ頬。
キラキラ輝いて見える顔に瞬きを繰り返しながら、ドキドキする心臓が心地いい。
「泪。俺はお前のこと好きだよ」
「———!!!」
数秒間見つめあい、遥海から紡がれた言葉にぶわっと自分でも驚くくらいに鳥肌が立ち寒気さえ覚えた。
でも寒気以上に身体全体が心臓になってしまったかのように脈打ち熱が充満する。
頭がくらくらする。息が詰まりそう。
『もしこれが嘘だったら、演技だったら』
そんな疑いがなんて馬鹿らしく小さなものだったのか。
本気とは、このことなんだと思い知らされた。
言葉では形容出来ない、遥海の全部が僕を好きだって言っているかのような感覚。
「遥海...遥海......ごめん、ごめんごめんなさい」
「だから、謝んなってば」
「でもっでも僕...」
「別にいい。不安になっても嫉妬してもいい。けど、俺のこと信じろよ…頼むから」
「うん...うん!ありがと...大好き」
いつも言えないこともこの時だけはすんなり出てきた。
すごくすごく、僕は遥海が好きだ。
裏も表も、全部好き。
だから信じるよ...絶対絶対信じる。
二度と疑ったりしないって誓うよ。
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