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その伝説の悪魔の印を現在持っているのが僕ーーー真白零である。
とはいえ、化粧でカバーをしてあるし、ダミーに目の下に白で蛇という漢字が書いてある。
悪魔の印のせいで両親から捨てられてしまった僕を拾ってくれたのは、特殊な学校の理事長だった。
学校で他の能力者と共に過ごすことが条件…
「はぁ…」
無駄に豪華な校舎を見て、僕はため息をついた。
「今日から転入することになった真白です。よろしくお願いします」
転入生、なんてこの学校ではよくあることのはずなのにみんなの視線が痛い。
一通りの挨拶が済むと自分の席についた。
「はぁ…」
「れい、れい!」
まるっとしたピンクのまりものようなものがノートの上で跳ねた。
「疲れたの?だいじょぶ?」
「いや…平気だよ」
そっとなでてやると嬉しそうにすりよってきた。
この子は妖怪。
俺の能力のひとつは妖怪、霊の使役。
もちろん、普段から見ることができる…が、俺は能力を2つ持った前代未聞の人間なのである…
元は一つ、目の上に「妖」だけだったのだが、親に捨てられたショックから分離してしまった。
左の腕の付け根に「怪」の字、目の上には「色」の字。
「れい…?」
「ん?」
心配そうに僕の名前を呼ぶのでちょんと指で小突いてやると、嬉しそうにすりすりと指に頬ずりをした。
可愛い…
「まりも…」
その妖怪の名を呼び、なでなでと撫でると照れたように指の裏に隠れてしまった。
全く…照れ屋だな…
そう思いながら顔をあげると、僕は再びノートを取りはじめた。
「真白!」
休み時間になった途端、元気な声に話しかけられた。
誰だろう、と振り向くと黒髪の元気そうな男の子が立っていた。
「…なに?」
「俺、黒瀬煌っていうんだ!煌でいい。よろしくな!」
真白は白蛇かぁ、俺狼なんだー!と横で話す煌から目をそらした。
正直、あまり人と関わり合いにはなりたくない。
俺の正体がばれたら、どうせみんな離れて行ってしまうのだから…父さんと母さんのように。
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