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がちゃ、と扉を開き中へはいる。
初めてみる煌の部屋は、けして汚くは無いのだが、脱いだジャージやタオルがベッドの上や床に散らばっていた。
とはいえ毎日掃除はしているようで、落ちているジャージも一着だけでタオルも一枚ベッドに乗っているだけだ。
「ごめんな、散らかってて」
そう言って煌は慌ててジャージを拾った。
「ううん…綺麗な部屋だと思うよ」
「あ、その辺座って」
二段ベッドの下の段を指し示され、そこに腰を下ろす。
改めて部屋を見回すと、ユニフォームとバッシュが目についた。
「…バスケ部?」
「あぁ、そうだよ」
ジャージとタオルを洗濯機に突っ込み、ボタンを押した後煌は僕の隣に座った。
「ここなら、いつまでいても大丈夫だからな、零。好きな時に遊びにおいで」
わしゃわしゃと頭をかき混ぜられる。
「うん…」
その優しい手つきに目を伏せ、身を委ねる。
と、ふいにドアが開いた。
「あっ、ごめんね、お取り込み中だった?」
「ココ、今日は早かったな」
「今日は先生に呼び止められなかったもん」
そう言うと、ふわふわの茶髪をした可愛い男の子がするっと部屋に入ってドアを閉めた。
「こーちゃんのお友達?」
「あぁ、真白零っていうんだ。零、こいつは子里小太郎、俺の同室者。俺はココって呼んでる」
「はじめましてー、小太郎ですっ、何て呼んでもいいよー!能力は狸で、好きなものは可愛いもの!」
よく喋る…
「真白くんは、白蛇?」
「…」
ぎゅぅ、と煌の袖を掴んでそっとその後ろに隠れる。
苦手なタイプだ…
「零?」
どした?と顔を覗き込む煌から逃げるように煌の背中に顔を押し付けた。
「何でもないもん…」
「真白くん?どしたのー?」
「零は人見知りなんだ、ごめんな?」
「俺は気にしてないから大丈夫!」
そう言って笑う小太郎の声が聞こえた。
…悪い人じゃなさそう…
「…まりも…確かめて…」
小さな声で言ってそっとまりもを飛んでいかせる。
小太郎にぴったりくっついたまりもが笑顔で戻ってきた。
「大丈夫、悪い人じゃないよ!でも、天然でノリはいい子かな」
悪い人じゃないという言葉を聞いて、僕はそっと顔を出した。
「…」
そうっと目をあげて小太郎を見る。
「子里…くん…?」
「零?」
「子里くん…いい人だって…まりもが言ったから…」
「よろしくねー、真白くん!」
「ココ、今日零この部屋に泊めてもいいか?」
「え…っ」
そんなこと聞いてない、と煌の横顔を見つめる。
「一人だと寂しいだろ」
「でも…寝る場所ないし…」
「俺のベッドで一緒に寝ればいいだろ」
「でも…」
「俺と寝るのは嫌か?」
「…」
ぎゅぅ、と裾を掴むと抱きしめられる。
「真白くん、こーちゃん大好きなんだねー」
そう言って小太郎は楽しそうに笑った。
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