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side一期一振
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鶴丸殿は、困ったような笑顔から、普通の笑顔に切り替えて、さっと立ち上がる。
そして、手を差し伸べ私を立ち上がらせる。
「さすがに、ここじゃこれ以上は人目につくとマズイからな?」
いつもの調子の悪戯っぽい口ぶりに、私ははっとした。
そうだ。
ここは縁側だった。
周囲に誰もいないからといって、今後誰が来るとも限らない。
鶴丸殿が困ってしまうのも無理はない。
「きょ、恐縮です・・・」
「いやいや、中断するのも可哀想かとは思ったんだがな」
「いえ、止めて下さって感謝申し上げます・・・」
あぁ、消えてしまいたい。
自分でも気付かなかった、己のはしたなさを自覚させられて、恥ずかしいことこの上ない。
「でも、続きするだろう?俺の部屋に行くか」
その言葉を合図に、手を引かれ鶴丸殿の部屋へ向かう。
手を引かれる以上の引力を彼に感じながら、私は連れられるまま、彼の後ろをついて歩いた。
部屋の中は、本日の天気のせいか少し薄暗く湿っぽく感じた。
締め切っていたから、部屋の木材が湿気を吸ってしまったのだろう。
普段の鶴丸殿の明るい雰囲気からは似つかわしくない。
けれど、今の私達には、その雰囲気が似合いだと思えた。
鶴丸殿は、後ろ手でピタリと器用に襖を閉め合わせて、こちらを向いた。
施錠も何も無い。
ただ襖を閉じられただけで、その瞳に見つめられただけで、逃げられない気がした。
たったそれだけで、随分と興奮するものだと思い知らされる。
一歩一歩近づいてくる鶴丸殿のゆっくりとした動きがもどかしくて、思わず腕を伸ばして引き寄せてしまう。
「積極的だな、一期?」
耳元で囁かれ、背筋が震えた。
「だって貴方が遅いから・・・っ」
「悪い悪い。確かにあんまり焦らすのも良くないな」
先ほどの行為をやりなおすように、ゆっくりと唇を合わせられる。
下先で唇をなぞられ急かされ、口を開くとすぐに下が潜り込んできた。
さっきより的確に、気持ちがいい部分を執拗に嬲られて、取り戻したはずの理性が消えていくまで時間はかからなかった。
頬に添えられていた手が、ゆっくりと下におりて、器用に衣服を剥がして、肌に触れると思わずビクリと反応してしまう。
「そんなに緊張せずとも、無理をさせるつもりはないから、安心していいぜ」
自分の中に嵌められているタガが外れていく感覚が気持ちよくて。
後戻りしたくなくて、もっともっとと際限なく欲しくなって。
あぁ、欲に溺れるとはこういうことか。
そんなことを考えながら、私は与えられる刺激に委ねることにした。
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