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side鶴丸国永
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今日は久しぶりの非番だった。
部隊の数人が度重なる出陣と遠征で、疲労が溜まってきていたのを見かねた主の配慮だった。
一期が帰ったら、久々に甘やかしてやろう。
最初はそう考えていたはずだったのに。
本来の自分を見失うとはまさにこの事だ。
最初は、一期の望みを叶え、その上で自分が楽しめればいいと思っていた。
ほんのわずかの悪戯心だ。
一期が飽きれば、それまでだと思っていた。
せいぜい、悪い思い出にならぬ様してやれば良いと。
あとで恨まれるような真似だけはしないでおこうと。
次第に手放すことが惜しくなった。
いや、手放されることが、という方が正確だろうか。
顔を見れば甘やかしたくなった。
声を聞けば優しくもした。
身体を繋げれば、一晩中抱きしめて居たかった。
手をかければ、かけるほど変わっていく一期から目が離せなくなった。
俺はいつの間にか一期に嵌り。
そして、同じものを求めた。
もっと俺だけになって欲しかった。
他になんて見向きもせず、ただただ俺だけ。
俺だけの特別に。
自分が一期を特別に思っているだなんて、言葉にしていない。
そんな狡さを、ひた隠しにして、俺は笑っていた。
どこかで一期が自分から離れるわけがないと、自負していた。
それは会う時間が減っても変わらないと思っていた。
けれど、昨日の一期はどうだろうか。
涼しい顔で俺をあっさりと躱し。
今日は今日で、いきなり連れ出した俺に文句を言う。
あぁ、もう俺は要らないのか。
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