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side一期一振【R-18】
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名残惜しいけれど、抱き合っていた身体を一旦離し、鶴丸殿は開いたままだった襖をそっと閉める。
振り返った彼は驚くほど、優しい表情だった。
前のような射抜くような目線でもなく、光を宿さない瞳でもない。
「そういえば、今日は貴方は袴姿ではないのですね・・・」
彼の姿は襦袢一枚を帯で縛っただけの、雑把な格好だった。
「ん?あぁ、そりゃあ君を手入れ部屋に連れて行ったときに血だらけになってしまったからな。全て洗濯行きさ」
「そ、それは申し訳ない・・・・」
「はは、俺の衣装は返り血で染まる為であって、君の血の為じゃあないからな、これからは無傷で頼むよ、あれは心臓に悪い・・・」
「心得ました」
そう応じると、鶴丸殿は私の目の前に腰をおろし、ぎゅっと私の身体に手を回した。
胸の辺りに顔を埋められ、彼の少しだけ早めの鼓動が聞こえてくるのが愛おしい。
ゆっくり唇が重なったのを皮切りに、丁寧に寝所へと身体を降ろされていく。
すぐに覆い被さってきた彼に口付けの続きを求めると、じんわりと唇を合わせてくれた。
重ね合わせて、舌を絡ませて、吸い合うとちゅ、ちゅと液体の混じる音が卑猥に聞こえた。
縺れた舌から流れ落ちる彼の唾液を、吸い取るように必死で飲み込んだ。
口付けの合間にも「好きだ」と言葉をくれる。
それだけで頭の奥の理性は既に消えていきそうだ。
「あの、そんなに見られると恥ずかしいんですが・・・」
一つ、一つのボタン、一枚、一枚の衣服を、じっくり脱がし、彼は私の身体を食い入るように見つめていた。
おそらく、本当に私の身体が無事なのかを確認しているのだろう。
なにせ数時間前には大怪我を負っていた身だ。
通常の人間なら、まずこんな所にいるのは不可能な傷を負ったのだから。
けれど、自分の肌を曝け出して、それを見つめられるというのは、どうにも落ち着かなかった。
既に下半身の熱は欲望を求めて勃ち上がってしまっていて酷く羞恥心を煽られた。
何度も見せた身体だというのに今日は特別だった。
「本当にいいのか?」
少しだけ低く鶴丸殿の声が頭上から聞こえた。
「鶴丸殿・・・?」
「その、昨日の今日で・・・大丈夫なのか?無理だったら言えよ?」
「私が触れて欲しいと申し上げたのに・・・意外と気が小さいですなぁ、鶴丸殿は」
「君なぁ!」
「ははは、鶴丸殿、好きですよ。私、それだけは何があっても変わらない自信があります」
そう言うと、彼は私を再度抱き締め、肩口に顔を埋める。
肌に直接落ちる彼の涙の感触をわずかに感じた。
「しかし、アレだな・・・」
肩口で鶴丸殿が話し始める。
そこには涙の影すらもう感じさせなかった。
「アレと言いますと?どうかされましたか?」
「こう、気持ちを曝け出して、こういうのは緊張するというか・・・気が小さいか?」
私の言った言葉を気にしている鶴丸殿がどこか可愛らしく見えた。
「じゃあ、今日はそう言った趣向の日だと思えばいいじゃありませんか」
「君のそれは計算なのか天然なのか・・・」
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