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明日になったら 黒月⑸
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「ねえ、一人?お姉さんたちと遊ばない?」
あぁ、しつこい、鬱陶しい
顔面に塗りたくったような化粧、短いスカートに胸元の広く開いたトップス、おまけにセンスのない香水
見たくない
早くどっかいってくれ…
聞こえないふりをして再びスマートフォンに目をやる
「あのさ、お姉さんたち、悪いけどそいつ俺のツレ」
聞き覚えのある声がして視線を上げると声の主と目が合った
「よっ、久しぶり」
「…ヒーローのつもりですか、まったく…」
「さ、行こうか。ってことでお姉さんたちごめんね」
黒尾さんは颯爽と登場して僕の手を引いて歩く
悔しいけどかっこいい
「黒尾さん、手…」
「だーめ。なにあんな女に囲まれてんの」
「いいじゃないですか、黒尾さん来たんですから」
「お前なあ…」
はあ、とため息をつく黒尾さん
久しぶりに会ったのに素直になれない
心なしか黒尾さんの顔が赤いように思える
「黒尾さん…?どっか悪いんですか?」
「蛍ちゃんが無自覚だから心臓に悪い」
「は??」
「…だーかーら!!!あーいうの、絡まれたんならどうにかしろよ。それと、さっきみたいに急にデレるのはナシ!!俺が我慢できない…」
意味がわからない
なんなんだ突然現れたかと思ったら急に照れて赤くなって怒られた
「…いいよ、気にすんな」
意味が分からず黙ってたら黒尾さんは立ち止まった
「あ、僕の家、きますよね?」
行き先を尋ねられる前にそう言った
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