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君の声 黒月⑶
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「黒尾さん」
家に着いてすぐ、靴を脱いでると名前を呼ばれた
「ん?…ってまじか…」
困った
あんなに意地っ張りなツッキーが泣いていた
どうしたらいいかわからず、とりあえずおいで、と言ってぎゅっと抱きしめた
「くろお、さん…会いたかった…です」
「ん、俺も」
「…僕、最近、授業なんか、頭に入んなくて、部活も身が入んなくて、菅原さんに、会ってこいって言われたんです。最近、黒尾さんと会えてないんだろって、言われて…」
「…気ぃ遣わせたな。悪い」
初めて聞いた
なんだそれ
ボロボロと流れる涙が俺の肩にシミをつくる
まだ何か言いたそうだったから、そっと背中をさすってやった
「…くろ、お、さん…すき、です」
あぁ、俺だけじゃない
抱きしめられる腕に力が込められる
「…逃げねえよ。俺はどこにも行かねえから。安心しろ」
どこにも行かないで、そう言われた気がした
fin.
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