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ピーターパンシンドローム 黒月⑴
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久しぶりに会った恋人は、知らない間に煙草を吸うようになっていた
そっとキスをしたら、僕の知らない味がした
「煙草…いつからですか」
「んー、最近かな。イヤ?」
「苦い…」
大人の味だろ?とおどける彼に抱きついた
「どうした」
「やっぱりイヤです」
知らない間に変わっていく気がして、いつの間にか僕にも興味がなくなる気がして怖かった
離れていく気がした
「なにが、イヤなの」
「煙草…僕が、そばにいるから、やめてください」
声が震えた
怖かった
「なに、泣いてんの」
「会い、たかったん、です」
「…別れようか。遠距離辛いでしょ」
聞きたくない
イヤだ、イヤだ、イヤだ
「いや、です…っ…ん…」
イヤだ、と訴えたら突然キスされた
どうやら彼も余裕がないらしい
「そんな風にされるとさ、離れようと思ってたのに離れられないでしょ。好きなのは俺も一緒」
「離れ、ないでください…イヤだ…」
「ん、大丈夫。離れらんないから」
そっと頭を撫でてもう一度キスをされる
彼曰く大人の味だそうだ
これが大人の味なら、僕はしばらく子供でいい
fin.
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