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氷点下 黒月⑴
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『会えませんか?』
その一文に心臓が跳ねた
何かあったのか
不安で仕方なかった
会えない分、不安は募るばかり
苦しい、辛い、会いたい
そのサインさえ見つけられない
遠いところに確かにいる、愛しい人のことを思い浮かべながら空を見上げた
一つ息をして、電話をかけた
『…はい。どうしたんですか?』
「どうしたじゃねぇよ。なんだあれ」
先ほどのメールを思い出した
辛いなら、辛いって言ってくれ
なんでも言うことを聞くから
苦しいなら、会いたいなら、気持ちを隠すな
『…あぁ……いや、別に深い意味は、ないんです…けど、ちょっとだけ声が聞けたらなって』
「蛍、明日会いにこないか?」
『…断ると思ってますか』
相変わらず捻くれてて生意気で、無駄に大人びている
素直じゃない、だから、なおさら
明日はとびっきり甘やかしてやろう
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