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氷点下 黒月⑸
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「…好き、だ。ちゃんと」
顔を見せないようにさらにぎゅっと力を込める
そのまま全部俺に身を委ねればいい
好きになったんだ
いつもは我慢してる
過度な愛情表現が苦手な恋人に愛想尽かされないように、好きだ、愛してる、会いたい、なんてことは今まで言わなかった
それがどうやら逆に不安にさせていたらしい
まったく我儘な恋人だ
「黒尾さん…もう一回、」
「何回だって言ってやるよ。蛍、好きだ。愛してる」
好きだ、と言うたびに肩がびくりと震える
その度何回も頭を撫でる
「ごめんな…会えないのつらいよな?だから、会った時はいくらでも我儘言っていい。全部叶えてやる」
「……て、ほしい、です」
「ん?」
「キス、し、っん…」
言い終わる前に少し体を離して唇を重ねた
ほんのり甘くて初恋みたいだと中学生みたいなことを思った
そっと離れると、とろんと潤んだ瞳と目が合ってもう一度キスをした
今度は触れるだけじゃなく角度を変えて何度も唇を重ねた
「…っん……んんぅ…」
甘い声を漏らしたのと同時にそっと舌を絡ませた
歯列をなぞって、舌を吸って、絡ませて、どっちのかわからなくなった唾液が顎を伝う
「…んぅ、くろっ、さ…んんっ」
はぁはぁと肩で息をする蛍が愛しくてそのままゆっくりと押し倒した
何回も何回もキスをした
首筋、鎖骨、耳、頬、瞼、あらゆるところに唇を寄せて蕩けさせた
たった一度唇を重ねただけなのに、愛しくてたまらなくなって、胸がぎゅっと締め付けられた
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