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茉莉花 及菅⑴
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久しぶりに連絡がきたと思ったら、会いたい、とだけ送られてきた
部活の休みもたまたま合わさって、授業が終わってから駅で孝支くんを待って、一緒に帰ることにした
家に着くとおじゃまします、と丁寧に言ってきちんと靴を並べた
いい嫁になるなあ、なんて感心しつつ親いないから、と自分の部屋に通した
心なしかいつもよりすこし元気がない
そのへん座ってて、と言ったが隣がいい、と強請られ隣に座らせた
するときゅっと手を握りしめ、ゆっくりと言った
「及川…俺、どれだけ我慢したら及川の隣にいれる…?」
声が震えていた
「え…?」
「どんだけ待ったらいい?」
俯いてポタポタと涙を零す
普段泣くような子じゃない分、罪悪感が押し寄せてくる
「ごめん…」
「ねぇ及川…俺、いつになったらっ、及川の一番になれる?」
「…ごめん」
「なんで謝るんだよ…付き合う気なんてサラサラなかったってか?告白してきたのお前じゃんか…」
「…隣に、いてほしい。あの時からずっと、孝支くんは特別だし、ずっと大好きだよ。孝支くんはまだ及川さんのこと好き?」
「…嫌いにっ、なれないから、こんなこと言ってんじゃん…」
「ん、ありがと」
そこまで聞いてそっと頭を撫でて、そのまま触れるだけのキスを落とした
「ばか…」
ぐしぐしと荒っぽく涙を拭って足の間に向き合うように座り直してぎゅっと抱きついてきた
「嫉妬ばっかするけど、それくらいっ、及川のこと好きだ…離れたくない…」
「…そーゆーかわいいこと言っちゃうとこが好き。ごめんね、つらい思いさせたね」
優しく頭を撫でて優しく抱き寄せる
もう一度、目があってキスをした
「愛してる…」
俺は愛おしそうにそう呟いたのを聞き逃さなかった
fin.
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