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待ち合わせは深夜2時 黒月⑵
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「蛍、好き…」
「僕もちゃんと好きですよ」
顔を上げないで呟くように言う彼にしっかりと応える
この人はきっとずっと不安になる
できるだけ、できるだけ、不安を取り除けたらそれでいい
「わがまま、言っていい…?」
「はい、どーぞ」
「離したくない…」
ぐす、と鼻をすする彼にそんなことを言われた
かわいくて仕方ない
なんで不安になるんだ
僕は離れていかないし、余所見なんてしない
貴方しか見えてない
「離れる気なんてありませんから安心してください」
そっと抱きしめると、急に彼の声が変わった
「ねぇ…なにもしなくていいから抱かせて」
突然の誘いに顔が熱くなる
こういうこと言うくせに、彼は優しい
「…貴方は、また、そうやって…」
「だめ?」
悲しそうに眉を下げる
あぁこんなときにでもかわいいと思ってしまう
「…だと思いますか?」
「思わない」
抱きしめていた手を離して、にっと笑った
相変わらずこの人には敵わない
待ち合わせは決まって深夜2時
fin.
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