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あいという 月山⑴
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悔しくて泣いた
誰もいない部室で
誰にも見られないように
拭っても拭ってもボロボロと涙は零れてくる
俺がもし、なんて考えると悔しくてたまらない
「山口、なに、泣いてんの?」
「え、あ、ツッキー?!」
ドアが開いた音にも気がつかなかった
こんな顔じゃ振り向けない
こんな顔見せられない
そんなことを思っても涙は止まってくれない
「山口、」
「…?!っちょ、なにしてんの!はな、して…」
突然後ろからぎゅっと抱きしめられた
抱きしめる腕が震えていたのはきっと気のせいだろう
「どうしたんだ」
「別に、なにもないから、離して……こういうことされるとさ、勘違いしちゃうから…」
相変わらず涙は止まらない
慰めるように腕の力を強められた
そのたびに涙が溢れる
どんだけ泣けば気が済むんだ、まったく
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