アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ハルジオン 月菅⑴
-
大学生になって、一人暮らしを始めた
帰っても誰もいない
その代わり自由は増えた
なんだかさみしくなって恋人に電話した
後輩もできて、部活も勉強もきっと忙しい
「あー…月島?」
『はい、どうしたんですか?珍しいですね、菅原さんが電話してくるなんて』
かすかに嬉しそうな声を聞いて安心した
「んー、別に、何もないけど」
『…菅原さん?』
「なに」
『声、震えてますって』
受話器の向こう側でふふふ、と笑う声が聞こえた
何もかも見透かされてる気がして本当のことを言う
「うん…あのさ……ほんとに、別に用なんてないんだけど…その、会いたい…
…けど、会えないから、今なにしてるかなって、声聞きたくなっただけ」
少しだけ恥ずかしくなって声が上擦った
『菅原さん…』
「ん?」
『…今から、行っていいですか?』
「…え」
まさかの提案に変な声が出てしまった
会いたい、けど
相手はまだ高校生
ハッとして時間を見たら23時
こんな時間に出歩くのはいくら男でも危ない
『嫌ですか?』
「ううん、嫌じゃない、けど、夜だし」
『会いたいです』
ただそれだけ
はっきりと言われて断る理由が見つからなかった
「…俺も会いたい」
『待っててください、すぐ行きます』
本音が零れると月島はふわっと笑って答えた
その声がやけに色っぽくて顔が熱くなった
「…ん、待ってる」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
78 / 102