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ハルジオン 月菅⑵
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あれから30分
「菅原さん、僕です」
インターホンから聞こえる声
無意識に口角が上がる
「ん、待って、開ける」
ドアを開けたら大好きな恋人
嬉しくて涙が出そうになる
「…なんて顔してるんですか」
「なにがよ」
「……なんでもないです」
「月島、会いたかった」
ドアを閉めてぎゅっと抱きつく
首元に顔を埋めてすんすんと匂いを嗅ぐと洗剤の香りが広がった
「僕もです」
「…さみしかった」
さらにぎゅっと力を込めると月島は不思議そうに背中に手をまわした
「…菅原さん?」
「なあ…ちゅーして」
いつもなら言わない
会いたくて、でも会えなくて、知らない間に我慢してたみたい
近くにいるのに
「どうしたんですか」
「んー、ちょっと、怖い」
「なにが怖いんですか」
眼鏡の奥の瞳はまっすぐで優しかった
後輩からもきっと好かれてるんだろうなあ
かっこいいもんなあ
大人っぽいし頭いいしバレーできるし
そうやって遠くにいくのが嫌だ
知らない月島が増えるのが嫌だ
「月島が、離れてくの」
「どこにも行きませんよ」
「わかってる」
「じゃあ…どうしてですか」
「…わかんない」
ぎゅっと抱きしめられて、そっと頭を撫でられて、耳元で熱っぽい声が聞こえた
「……菅原さん、ちゃんと、好き、ですよ」
「…っ…ん、ごめん…」
ドクドクと心臓の音が重なる
月島は泣いてる顔を見ないように後頭部を押さえて宥めるように囁いた
「なに不安になってるんですか。僕には貴方しか見えてません」
「…ん、」
「…明日部活が休みなの知ってて電話してきたでしょ」
ふっと腕を緩めて頭を撫でられる
月島に撫でられるのはすきだ
落ち着くし
「…なんでわかんの」
「そりゃあ、恋人、ですから」
ぱっと上目遣いで見上げるとニッと笑った月島と目が合った
いつ見ても月島のこの笑顔は反則だと思う
かっこいい
「…今日、泊まってくだろ?」
「菅原さんがいいなら」
ふっと目の前が暗くなったと思ったら唇が重なった
触れるだけのキス
唇が離れて目が合う
ふふふっと笑ってもう一度キスをした
背伸びをして、首に腕を回す
「…積極的ですね」
「たまにはいいの。こんな俺は嫌?」
「…かわいいです、すごく」
普段はかわいい、なんて言われても嬉しくないのに
ほんのり顔を赤くした月島に言われるとドキドキした
fin.
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