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花の名 月日⑴
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部活が休みになって、何もすることがないから、と日向が家にきた
何もないから適当なDVDを借りて一緒に見た
対して面白くもない映画を見て、日向は終始笑顔で目を輝かせていた
隣を見ると泣いていたり笑っていたり緊張してたり、表情がクルクル変わる
それが面白くて時折チラッと見てはクスクスと笑った
DVDを見終わって日向が眠そうにしていたから声をかけた
「日向、遅くなったからもう帰りなよ。送ってくから」
「やだ!」
思いっきり抱きつかれた
なにがいやなの
「はぁ…?」
「やだ…」
「…なんで嫌なの」
「別に」
理由を聞こうとしたら別に、しか言わなくなった
なんで拗ねてんのか知りたいのに
じゃあ帰んなよ、と言ったら腕の力をさらに強めた
「やだ!」
「はぁ…怒んないからさっさと言いな」
何も話が進まないと思って、諦めて頭を撫でて理由を話すように促すと、涙声になりながらボソボソと話だした
「…俺、お前が女の子に告白されてたの知ってる」
「なんで知ってるの。それ断ったけど」
そういえば今日の昼休みに違うクラスのナントカさんってのに告白された
彼女はいないけど日向がいるからOKするはずがない
「山口が言ってた…断ったのも知ってる」
「じゃあなに?」
なかなか理由を言おうとしない
なんとなく想像はつくけど
どうせ拗ねてるだけ
「いつか、お前、女の子のほうがいいって言うんじゃないかと思って…」
ほら、やっぱり
かわいい奴
急に愛しくなってぎゅっと抱き返すと日向は固まった
「……相変わらずバカだね。そんなわけないでしょ。もしそうならお前と付き合ったりしない」
「だって…」
ウルウルした瞳で何か訴えようと見つめてくる
「ヤキモチ妬いてたってことね」
「ち、ちげーよ!そんなこと…ないし…」
「はいはい」
顔を真っ赤にして叫ぶ日向にそっとキスをして黙らせた
「心配しなくてもさ、離さないから」
ガラにもなくぎゅうぎゅう抱きしめてすり寄せた
小さくてかわいくてだいすきな僕の恋人
ドキドキと高鳴る胸に沈む日向を見て胸がぎゅっと締め付けられた
fin.
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