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保健室のヒミツ 澤菅⑵
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部活が終わって保健室に戻るとスガはまだ寝ていた
そっと頭を撫でて側にあったイスに座る
「大丈夫…なわけないか」
「大丈夫だよ」
目を閉じたまま声が聞こえる
びっくりして手を引いた
「…起きてたのか」
「うん。さっきね」
パチンとウインクしてふふふ、と笑ってからよいしょ、と起き上がった
「…どうだ、体調は」
「うん、へーき。ごめんね、心配かけっ…」
安心して、ぎゅうと抱きしめた
「…ほんとだ、バカ」
「大地、痛い」
「うるせー黙ってろ」
バシバシと背中を叩くスガを気にせずさらに力を込めて抱きしめた
「…落ち着く」
「好き、なんだけど」
ポツリと呟いた
何もできないなんてもう嫌だ
怖くて声も、手も、震えた
一番近くで見ていたい
俺は、まだ、お前を知らない
「知ってるよ。手、震えてるし」
「…うるせー」
「大丈夫、俺も震えてる」
そっと背中に手を回されてギュッとジャージを掴まれた
顔は見えないけど、多分真っ赤になってる
帰るか、と提案して持ってきたジャージを着せて立ち上がる
保健室を出て、先に行くスガの手を掴んだ
「なぁ、返事は?」
「言わせんのかよ」
「聞きたいんだけど」
振り返って俺の大好きな笑顔を向ける
「俺もすき」
fin.
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