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学校の階段 リエ夜⑴
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突然後ろから声がした
聞き覚えのある声
「夜久さん…!」
「…ん?」
振り返ったらそのまま腕を掴まれてどこかに連れて行かれる
「ちょ、っと…!離せって!」
「やだ…」
「こら、リエーフ!」
連れてこられたのは屋上に続く階段
周りからは死角になってるらしい
壁を背にして目の前にはクソ生意気な後輩
そっと手を伸ばしてくるからじっと目を見た
「なに泣いてんだよ」
滅多に泣かないリエーフ
伸びてくる手を制止して、その代わりに手を伸ばしてそっと頬に触れる
バカみたいにボロボロと涙を流すリエーフが可愛くて仕方ない
「だって、夜久さんモテるからっ…俺、心配でっ…」
声を殺してしゃくりあげるように言う
「あのなぁ…」
恋人がモテて困ってるのは俺の方だ
近寄ってくる女の子から聞かれるのはリエーフのことばかり
誰一人俺に興味なんてない
「リエーフ、ちょっと屈め」
「…?」
身長差は約30cm
今のままじゃ顔が見えない
「ほら、いいから膝ついてこっち向け」
言う通りに従うリエーフ
少し見下ろすように目を合わせる
「夜久さっ…んわっ」
ぎゅっと抱きしめて頭を撫でた
「俺が他の奴にこんなことすると思うか」
「…思わない、です」
なにが不安なんだ
「あのさぁ、俺、お前しか見えてないぞ」
無言で頷くリエーフ
ぎゅっと腕を回された
「夜久さん、すき…」
「知ってるよ」
ふっと笑って腕を離した
膝をついたまま見上げるリエーフの顔を見てくしゃりと頭を撫でた
「ちゅー、したい、です」
「だめ」
「…なんでですか」
「場所考えろ、バカ」
そう言って額にそっとキスをした
fin.
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