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はい、喜んで 黒月⑴
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夜中の2時
玄関のドアが開く音がした
見てるDVDを一時停止にして、疲れてるであろう恋人を出迎えにいく
靴も脱がずに座り込む恋人にそっと近づいて頭を撫でた
「おかえり」
「会いたかった、です、くろぉさん…」
「…なに、お前酔ってんの?」
突然抱きついて甘え出す恋人に戸惑いを隠せなかった
バイトだと思っていた
が、どうやら酒を飲んでいたらしい
「…ふふ」
「はぁー…あのなあ、いっつも酒は飲むなって言ってんでしょ」
靴を脱いでフラフラと立ち上がる恋人に手を貸してリビングまで連れて行く
最っ高にかわいい俺の恋人は、酔ったら甘え上戸になる
リビングに着くまでの何歩かの距離でさえ、離れないようにしっかりぎゅっと手を繋いで
たまに猫みたいに擦り寄ってくる
目は焦点が合ってないのかトロンとしていて、正直心臓に悪い
ソファーにそのままなだれ込んで、ぎゅうっと抱きしめられる
ちゅっと首筋にキスを落として、愛してくれ、と目で訴えられる
「くろおさん、」
上目遣いで、少し息が荒れている
「…ったく…ちょ、っと、んっ…こら、蛍」
ぎこちなく手が伸びてきて、そっと俺の頬に触れたかと思ったら、そのまま軽く唇が合わさった
唇が一瞬触れて、離れていく
目を合わせるでもなく、ぎゅうっと抱きしめられる
頭を撫でると相変わらず擦り寄ってきた
「…足んない」
そう呟いたのを聞き逃すわけがない
「蛍、どうされたい?」
いつもそう
答えは言わない
俺が喜ぶ答えを知ってるのは蛍だけ
「…愛して、ください」
fin.
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