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4年前 One
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・・・・・・・・❁❀✿✾・・・・・・・・
高2の夏。
俺はタカちゃんに相談した。もちろん小林に対するモヤモヤを。
「1発あいつ殴ればわかるんじゃね?」
「はぁ?!」
「嘘だよ、うーそっ!」
ケタケタ笑うタカちゃんにつられ俺も笑った。
「なんかさ」
「ん?」
「2年入ってから結構笑うようになったな?」
「そう?」
俺がここに転校してきたのは1年の秋頃で、冬と春を越してあっという間に2年に進級した。それと同時にクラス替えがあった。
その頃にはもう俺は小林に対してモヤモヤしていた。
そのモヤモヤを増すかのように俺と小林はクラスが離れた。でも、小林は隣のクラスだし、1年のクラスで仲良くなった奴らやタカちゃんがいるから安心した。
けど、会えない日が続いてモヤモヤが増した。
別に付き合ってる訳でもないのに女みたいで女々しく思う。
「もしかして小林のおかげとか?」
「......んなわけねぇだろ」
「えっ?ちげぇーの!?」
何故にそこに食いついて来るんだ?タカちゃんは前のめりになって俺の顔を覗き込んできた。
「だってあいつは...」
「あいつは?」
「......」
「関澤?」
言葉が続かない。あいつのおかげって認めたくないとかそういう訳じゃないのに、言葉が出ない。
「あーやめやめっ!」
そう言って手を多く振り回し机に手をついた。
「関澤の顔、暗くさせたくねぇからさ止めよあいつの話」
「タカちゃん...」
「まぁ変なこと言った俺が悪いんだけどさ」
「タカちゃんごめん...」
謝るとタカちゃんは俺の頭を撫でてきた。もしかして元気出せって言ってるのかな?
「あっ!そうだ!来週の学祭、女装コンテストあるんだってよ!」
「......女装コンテスト?」
「そそ!毎年美女美男コンテストあったんだけど今年からはそれも追加だって!」
なんか凄い学校に来たなって何となく思ってしまった。
「それで女装コンテストは各クラスから1人選出するんだってよ!」
「そう...なんだ」
「俺の予想から行くとお前綺麗だから選ばれそうだなw」
「そんなアホな話「あのっ!」」
俺とタカちゃんが話していると1年の時のクラスメイトの女の子が俺らのとこにやってきた。
「えっと...確か野川さん、だよね?」
「はいっ!名前覚えててくれてたんですね?」
「まぁ今年も一緒だし」
「あの...関澤くんお願いがあって」
「何?」
「これっ!」
野川さんから手渡されたチラシには、俺らがさっき話していた女装コンテストのことがかかっていた。
「もしかして...」
「出てもらえませんか?!」
やっぱり......?
その光景を見ていた女の子たちが俺らに集まってきた。
「きっと関澤くん可愛いと思うよ!」
「俺無理だと思うんだけど...」
「似合うはずだから!」
「いや、似合わないって......」
「優勝すればクラス全員にペア旅行券当たるんだよ!」
「「ペア旅行券!?」」
俺とタカちゃんは驚きすぎてハモった。
「旅行券で好きな子と旅行行けるよ!」
「......!」
好きな子...その言葉に反応してしまった。好きな子って聞いて、パッと頭に浮かんだのが可愛い女の子とかじゃなくて...
小林だった。
「関澤?顔赤いけど...」
「...ご、ごめん」
タカちゃんと女の子たちにそう言い残して教室を抜け出した。
なんで小林?なんで?
なんで好きな子って聞いた瞬間、小林が出てきたんだ?
俺は好きとそんな...好きとか男に対してキモいだろ?俺がまるでホモ見たいじゃんか?
ドンっ
「すいません......!」
肩がぶつかりよろめきながら謝り走り出そうとしたら腕を掴まれた。
「関澤?」
「......小、林」
偶然にも小林に会ったことで俺の中で胸が締め付けられる。きゅーっとなった。
「どうしたよ?顔真っ赤じゃん?保健室行くなら逆だぞ」
ヤバい...顔が近い......
「大丈夫...だから」
「どこが大丈夫だよ!?」
「とりあえず腕...離して」
そう言うと素直に離してくれた。
「関澤」
「ん?」
「無理だけはすんなよ?」
「......っん」
その言葉はあまりにも優しくて、その言葉を聞いて自覚した。
俺は...小林が好きだということに。
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