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2年前 久しぶりの再会 Four
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「なんて顔になってんだよ関澤...」
俺の頬に触れようとしてきた小林の手を俺は強く払いのけた。その時小林の後ろで心配そうに見つめてくる花奈ちゃんが視界に入り、どんどん心が曇っていく。
「関澤?」
「......っな」
「えっ?」
「......気安く俺に触るなっ!」
ズキッ
好きな人相手にこんな暴言をしてもいつかバレる日が来る。だから...ココで涙を流したら、黒鉄さんとタカちゃんに被害がいく。
そのためには
嘘をつくしかない。
「......タカちゃんと黒鉄さんは関係ないっ」
「だってそいつら意外お前泣かせる原因なんて何処にも」
原因は
「っふざけんな!」
何もかも...
「...お前のせいで、俺っ...」
もう出る言葉もなく、流れる涙を手で必死に拭いこれ以上居られなくて、その場から逃げた。
本当は...俺が悪いのに、人のせいにして。しかも小林のせいにして......ただ単に俺が嫉妬して勘違いしただけなのに。
小林のこと勝手に好きになった俺が悪いのに...
足がもつれかけ走るのを止め立ち止まった。
「関澤っ!!」
もしかして追いかけてきてくれた...?
後ろを振り返るとまた涙が溢れ出した。
「関澤...」
ゆっくり、ゆっくりと俺に近付いてきて...思わず俺は抱きついた。
「......関澤」
「タ、カ.......ちゃんっ」
「もういい...あいつのこと忘れろ。俺がこれから側にいてやる。無理だったら忘れなくていい...だから今だけでいいから一緒にいさせてくれ」
その言葉は優しくて心がどんどん締め付けられていく。
「関澤...好きだ」
タカちゃんの言葉に締め付けられていた心が少しづつ暖かくなっていくのが分かった。
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