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それは5日前────
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それは5日前の事──。
地元の高校で部活に勤しむ俺は、いつものように近くの小さな公園で友達を待っていた。
「おい、背中に蝶々止まってんぞ」
「はぁ?今10月だぞ。んなこと…」
“あるはずねぇだろ”という言葉は現れた友達の手に捕まえられたそれによって掻き消された。
「珍しい色してんなコイツ」
羽を器用に掴んだまま物珍しそうにその羽を見つめる友達。こと泰雅は俺の所謂幼馴染みってやつだ。
「もういいだろ
それより早く行くぞ」
どうしてこの時期に蝶がいるのか、赤と白だけの蝶なんて初めて見るなとか、気になることはあったが今はそれどころじゃない。
「えぇ!もうちょっとは興味持てよ!
もしかしたら新種かもしんねぇんだぞ!
あ、なんか入れもんない?」
「んなもんあるわけねぇだろ
それよかお前のせいで遅刻だ!
毎日毎日ギリギリに来る癖やめろよな!」
入れ物はねぇかとあたふたする泰雅を放置して自転車に跨る。
遅刻ったって朝練開始には間に合うんだからいいだろーとぶつくさ言ってるが無視だ。
入れ物探しを諦めた泰雅は渋々蝶を手放して俺の隣に並んだ。
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