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小話 その1 コイツと俺 2
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俺とコイツは同期の同僚だ。
入社した時から配属先が同じで、特に気が合うという事もなかったが、同じ職場で一日のほとんどを一緒に過ごすので、自然と話す機会も増えた。
コイツは身長が190センチほどあり、小柄な俺とは30センチ近く離れているので、俺はコイツを見上げる形でいつも話す。これが首が痛くなるのだ。
だから、ある時、コイツに言ってやった。
「お前、無駄にデカすぎなんだよ。お前と話すと首が痛くなるだろっ」って。
そしたら、何を思ったのか、コイツは前かがみになり俺を抱き寄せると、耳元でとんでもない事を言いやがった。
「じゃあ…、これからは見上げないでいいように、こうやってくっついて話すようにする…」
「はぁ…っ?」
馬鹿なのか?コイツはバカなのか?
なんで首が痛くなると言っただけで、抱きしめられてくっついて話す事になるんだ?
「俺も…、お前の事、見下ろして話すの…首痛かったし、こうやってくっついてた方が、お前の匂いがして…落ち着く」
間違えた。コイツはバカじゃなくて、ホモだったのか。
「アホかっ。いちいち会話すんのに抱き合って話すヤツがどこの世界にいるんだっ。もういい。首が痛くても今まで通りでいいっ」
俺はとりあえず、このウドの大木のような大きな男に、今後はうかつな事は言わないようにする事にし、コイツと話すときは今まで通りに首が痛くなる程見上げてしゃべるしかないと覚悟を決めた。
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