アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
「………そろそろ落ち着いたかな?」
「っ、ひくっ……ぅんっ、」
「そう、良かった。ほらアキ、顔見せて?」
わーお顔ぐずぐずだーー!もぅ、こっち向いて?
ハルが枕元にあるふわふわのタオルで、ぐちゃぐちゃの顔を優しく拭いてくれる
「よしよし、っと…… さて、もう大丈夫かな?」
「ぅ、ん、大丈夫!
ハル、帰宅早々泣いちゃってごめんnーーー」
「はいストーーップ。」
モゴッ!とタオルで口を押さえられた
「もー何でアキが謝るの?アキ全然悪くないのに。」
「んん!んーんー!」
「だっても何もありませーーん。はぁぁぁ、全く……
大体、謝るのは僕の方だyーーー」
パコン!
「あいたっ!」
ハルの頭を思わずポカッと軽く叩くと、びっくりしたのか口からタオルが外れる
「ハルこそそれ禁止!ハル何にも悪くない!!」
「だ、だって…僕がこんなんだからアキが寂しい思いを……」
「違う!!この件は自分で決めたことだから!」
〝アキ〟って名前を呼ばれなくても
ハルの昔話をみんなにしてる時、その思い出の中から俺を消して話さなきゃいけなくても
学園の事が全てが整い終わってハルと入れ替わって、俺が一人ぼっちになっても
ーーーそれでも
「俺が自分で決めた事だから、ハルは悪くない。」
「アキ……」
「だからハルももう謝らないこと!分かった?俺ももう謝らないから。な?これでおあいこにしよ?」
「………っ、わかった……」
「もーーハル!しゅんってならないで? はい、顔あーげーるー!!
でも、まぁそれにしても…」
「「謝るタイミング、一緒だったね。」」
「………っ、はは!」 「………っ、ふふっ」
笑うタイミングもピッタリ一緒だ
「クスクスッ、あーもー僕たちやっぱり双子だね!」
「そうだな。本当ピッタリだった!」
「あーぁ、何かもう今のでさっきのどっか行っちゃったよ。 ねぇアキ、この2週間で起こったこと教えて?」
「ふふふ、うん! 色んなこといっぱいあったんだよ! そうだなぁ……
じゃぁ、先ずは〝友だち〟の話からーーー」
「〝イロハ〟と〝カズマ〟ね。 あと〝佐古くん〟。」
「そうそう!」
覚えるように、ゆっくりとハルが名前を唱える
「ふふふ、流石アキだね!みんな良い人そう。会うの楽しみだなぁ……」
「楽しみにしてて!すっごい良い奴らだから!!」
「うんっ! それにしても〝丸雛〟かぁ… 懐かしいね。」
「そうだな。俺もイロハに丸雛って言われた時凄い懐かしかった。」
「だよねだよね! お母さん達がよくお土産で買ってきてくれて半分こしたよねぇ。」
「そうそう!ハル絶対ぇ半分こにするの譲らなかったよな。」
「当たり前でしょ!アキと一緒に食べたかったんだから!あぁー本当懐かしい……あの和菓子半分にするのに特に苦労したよね、あれ、あの、」
「「七夕の星飾り乗ってるやつ。」」
「「……………っ、」」
「クスクスクスッ、もーアキぃ今の絶対ワザとでしょ。」
「えー何でだよ! イロハに言われた時俺も真っ先にそれ浮かんだのに。」
「そうなの? 」
「当たり前だろ!? ちゃんと全部覚えてるもん!!」
「ふふふっ、僕たち、いっぱい思い出があるね。」
「うん、いつも一緒にいたからな。」
「一緒、か…… そうだね。 ふふ。
ぁ、ねぇねぇ! 婚約者の方はどうだった!?」
「あぁぁぁ………あいつな………………」
「??」
はぁぁぁ…と大げさに溜息をつく俺に、頭に〝?〟を浮かべたハルが興味津々という様に話を促してくる
「あいつはーーー」
コンコン
『アキ様。 奥様と旦那様がお呼びです。』
召使いの声が、部屋に響く
「………母さんたちが呼んでるみたい。 先に2人のとこ行って話してこようかな。」
「……うん、そうだね。」
「ふふっ、ハル落ち込まないで? 終わったらまた来るから。 そしたらまた話の続きしよ?」
「うんっ、わかった。 待ってるねアキ。」
「おぅ! じゃぁ行って来るーーー」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
86 / 558