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よしよしと撫でてくれる大きな手と
背中に回る力強い腕
今まで我慢していたものが一気に溢れ出して、もうどうしようもない
「ごめ、な、っ! ごめんなさいっ…!」
「あぁ。別に怒ってねぇから、安心しろハル。」
「……へっ、?」
「ほら、周りも見てみろ。」
言われた通りレイヤの服に押し付けていた顔を上げてみんなを見ると、それぞれ優しく微笑んでいた
「全く…ハル様。安心してくださいね。」
「お前は……ちったぁ教師を頼れ教師を。」
「もう大丈夫ですよ、小鳥遊くん。」
「………ったくてめぇは…また抱え込みやがって……」
「みん、な…っ、」
(怒られて、当然の筈なのに……)
どうしてそう優しいの?
俺、甘え過ぎて駄目な子になっちゃいそう
「次からはもっと甘えろよ、ハル。」
「ぇ、」
「皆んなも、それを望んでいる。」
「ーーーっ、」
(嗚呼、もう……っ、)
暖かくて胸がいっぱいいっぱいで、もうどうしようもなくなる
「っ、うぇ…っ、ご、めんなさ……!」
「ちげぇだろ小鳥遊。」
「そうですよ、小鳥遊くん。こう言う時は……」
「……っ、ありがと、ございます…っ!」
優しくてあったかくて
ただただ、涙が止まらなかった
「……にしても、ハル様。」
「ヒック、はいっ。」
「いつもは視線から逃げてらしたそうですが、どうして昨日は追いかけたのですか?」
ひと通り落ち着いてやっとまともに話が出来るようになった頃、先輩から質問が飛んできた
「ぁ、あれは、その日もらった写真に腹が立って……」
「写真に?」
「んんーっと…これの事だな。」
梅谷先生がその写真を手に持つ
「レイヤの顔が黒く塗り潰されてるのを見て、頭に来ちゃって……その………っ、」
「一発言ってやろうと思って、追いかけたってか?」
「はぃ、そうです……」
「っ、はぁぁぁ……ったく…お前は……」
ふわりと、またレイヤの腕の中に戻される
「少しは自分中心に考えやがれ。こんだけ気持ち悪い写真取られまくってんのに、自分の事は棚に上げて人の事かよ…ったく……」
「本当ですよ。私が後を付けていたから良かったものの…ハル様、今後一切こういった事はなさらないでください。いいですか?」
「そうですよ小鳥遊くん。もうこれ以上無鉄砲に動かないでくださいね。」
「っ、は、はぃ…!」
「……はぁ、本当にわかってんのかてめぇ…?」
「わ、わかってるよ佐古くんっ、」
それからは、みんなでわいわいといつも通り話しをして
「…ん、寝みぃのか? ハル。」
「……………ぅん、……… 」
恐怖と、緊張と、解放と安堵と
全部が全部一気に押し寄せたお陰で、知らないうちに限界が来ていた
「ほら、眠っていいから。」
「……レイ、ヤ………」
「ん、此処にいる。」
ぎゅぅっと抱きしめられて、
大きな温もりの中で瞼がどんどん落ちていく…
「おやすみ、ハル。」
「……ん、おやすみ…レ、ヤ………」
暖かな空間の中
抵抗することなく、そのまま眠りに落ちていったーーー
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