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〝佐古〟ヒデト 1
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『ヒデトッ、ヒデトぉぉっ、わあぁぁぁぁ、!』
泣きながらおれを抱きしめる、強い人
おれは、この人の笑ってる顔しか見たことが無かった
(そっか。お母さんも、女の人なんだ。)
「女の子には優しくしなきゃダメよ。」と話してた学校の先生を思い出す
今、目の前で必死におれを抱きしめて…大声を上げて泣くのは、紛れもなく自分のお母さんで
(あぁ、そっか…)
もう、お父さんはいないんだ。
『ヒデト……っ、母さんを、頼むなっ、!』
(そう…お父さんは泣いてた。)
悔しそうに、悲しそうに……、笑いながら 泣いてた
だから、おれがお母さんを守らなきゃ、いけないんだ
抱きしめてカタカタ震えてる体に、そっと手を回す
『お母さんっ、だいじょうぶだよ。
ーーーおれが、いっしょにいるからな。』
『っ! ヒ、デト……っ、ヒデトぉっ、』
これからは、おれがこの人を守らないといけないんだと
そう、子どもながらに誓ったのは
確か、小学校に上がってすぐ、1年生の頃だったーーー
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