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sideイロハ: 幸せな目覚めと、それから…… 1
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「ん………、」
ふわりと頭を撫でられて、意識が浮上する
(あれ…おれ……)
「気がついたか?」
優しい声に目を開けると、カップをサイドテーブルへ置くカズマがいた
「お茶、ここ置いとくから。」
「カ、ズマ…っ、んん……?」
「はははっ、やっぱり声枯れてるな。」
え、何これ。
自分の声が自分のじゃないみたい…何でこんなに枯れてるの?
(って、そっか……昨日おれ…)
ーーーカズマと、エッチしたんだった。
「いっ…た……、」
起き上がろうとしたら全然動けなくて、すかさず大きな手が手伝ってくれる
「凄い……こんななるんだね…」
「そうだな。まぁ昨日のはヤり過ぎただけだが…痛いか?」
「んーんっ、平気。」
寧ろ、この気だるさが良いというか……
(すっごい…幸せ………)
「クスッ、本当お前は……」
「わぁっ、」
顔に出てたのか、呆れたように…でも嬉しそうに寝起きの髪をわしゃわしゃ掻き回された
「ねぇ、いま何時?」
お茶を飲んで一息つきながら、隣でゆっくりしてるカズマの方を向く
「もう14時近いな。」
「14時…」
そんなに寝てたんだ……
やっぱ次の日休みの日にして良かった。
正直、昨日何時に寝たか覚えてない
たくさん抱き合ってトロトロになるくらい気持ちよくなって、もうお互いグチャグチャでーーー
(って、あれ?)
カズマの体もおれの体も、何もなかったようにさらさら
ベッドもあんなに乱れてたのに、跡形もなく綺麗になってて…
もしかして、
「カズマ……綺麗にしてくれたの?」
「ん? あぁ、先に起きたしな。まだどこかベタベタするか?」
「ないよ、さらさら!有難うっ。」
「そうか。後腹も空くだろうと思って一応軽めのものも作ってるが…」
「本当に!?食べたいお腹空いたー!!」
あんなに体力使ったし、それにもう14時だし、意識し始めたら何かお腹空いてきた……
「クスッ、だろうな。待ってろ、今持ってくる。」
「うんっ!有難うカズmーーー」
Prrrrrrrrrrr!!
「っ、ぇ……?」
突然鳴り響く、机の上のスマホ
(おれのだ…誰?)
自分で動くより先にカズマが立ち上がり取りに行ってくれた
「ありがとっ、」
「知ってる番号か?」
「えぇっと……知らない、かなっ。」
確認すると、登録されてない番号からの電話
ど、どうしよう取るべき?
でももし知ってる人からの急用とかだったら、やばいしなぁ……
(…よし、)
「ちょ、ちょっと出てみるね、」
「俺が先に出るから。」
「へ? て、ぁっ、」
素早く取られて通話のボタンを押され、カズマの耳にあてられる
「もしもし……はい。はい…えぇそうですが。」
(誰……?)
じぃっと見つめてると、その顔が驚いた表情に変わった
「わかりました、代わりますね。
ーーーほら。」
「ぇ、いいの……?」
「大丈夫だ。」
スマホを返して貰い、恐る恐る耳にあてる
「…も、もしもし……っ?」
『イロハ様、イロハ様ですね!?』
(ぇ……)
待って。その、声はーーー
「スズ…ちゃん……?」
『っ、はい!スズで御座います、イロハ様。』
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