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(確か、今日の4限目はあいつのクラスが体育だったな。)
って事は、恐らく奴は今生徒会室にいる筈
ちょっと様子見に行ってみるか……
丁度授業終わりのチャイムが鳴った頃生徒会室前に着いて、ピッとカードをセンサーにかざす
ガチャッ
「……あ?」
ガチャガチャッ
(んだこれ、内側から鍵がかかってんのか?)
何やってんだ?あいつ
「おい!開けろ!!いるんだろうが!」
カチャッ
「わ、ごめんなさいっ!」
内鍵が外れてピョコッとあいつの顔が出てきた
「俺の生徒会室で内鍵かけるとは、初日からいい度胸だなぁ小鳥遊。」
「ふふふ、ちょっと訳がありまして。
どうぞ会長〝サマ〟。」
(〝様〟だけ変な強調入ってんぞ。)
「はぁぁぁ……ったく、何なんだてめぇはーーー」
な、
(何だ、これは……)
あんなに荒れてた部屋が綺麗に片付いている
いや、寧ろこんなに綺麗な生徒会室をこれまで見たことがない
(いつも限界が来たら親衛隊の奴らに1日がかりで掃除させてんのに、それをこいつが1人で? しかもこの短期間に…だと……?)
あり得ない
大体、お前何やってんだよ。
お前は俺と同じ、自分で掃除をしなくてもいいレベルの人間だろ
それなのに、何で……
「ふふふ、満足いただけましたか? 会長サマ。」
「っ、おい…これはどういうことだ。」
「いやぁ、僕が入った時すんごい有様だったので。こんなところで仕事したくないなぁと思って少し掃除させて頂きました。」
は?
これが〝少し〟だと?
「でも、どうしてもシャンデリアの蜘蛛の巣だけはどうにもできなくて……
頼んでいいですか? 会長サマ。」
「……………は?」
この俺に、掃除を頼むだと?
「お前何言ってrーーー」
「あぁそれに僕待ち合わせしてるんでもう行かなきゃ! それじゃぁ後はお願いしますねっ、会長サマっ。」
「っ、おい!」
肩を掴もうとした俺の手をスルッと避けられる
「もーー僕急いでるんですよ! 早く行かないと食堂の席埋まっちゃうじゃないですかー! そ・れ・に!僕は今日デミグラスハンバーグを食べるんですっ!
いいですか!?追いかけてこないでちゃっちゃとシャンデリアの蜘蛛の巣何とかして下さいね!」
いま一個づつメニュー制覇してるんですから邪魔しないで下さい!
ここの食堂メニュー凄く多いんで忙しいんですよ僕、分かりました!? それじゃぁ失礼します!
「ちょっ、小鳥遊待っーーー」
パタパタパタ…と俺にとっては急ぎ足の様なスピードで去っていく背中を追おうとして
ふと立ち止まる
(は? 何で俺が追いかけてんだ??)
俺は追いかけられる側だろ、なのに何であいつを追いかけなきゃいけない
(大体何だメニュー全制覇って…何だ今日はデミグラスハンバーグって…俺は食堂のメニューに負けたのか……?)
あいつは俺じゃなくデミグラスハンバーグを追いかけんのか?
これまで無敗の俺が、デミグラスハンバーグに負けるだと??
「いやいや、訳わかんね……」
(駄目だ、取り敢えず中入ろう………)
これ以上考えたら頭痛くなりそうだ
「………………は?」
俺の机の前まで来て、ハタと立ち止まる
(何であいつの机、あんなに離れてんだ?)
俺の専属秘書なんだから、俺の隣にくっつけて当然だろうと置かせた机
その机が、露骨に思いっっっきり離れた部屋の隅へ移動されている
(しかも何か壁の方向いてね? あいつ俺に背ぇ向けて座んのか??)
「…………………っ、クッ、はははっ、」
(あー全く、意味わかんねぇっ、)
あいつに対しての苛々も、ここまで来れば一周回って笑いに変わってしまった
「ははっ、訳わかんねぇ…っ、ククッ、」
(何だあいつ、俺の予想の斜め上ばっか行きやがるのか?)
普通だったら誰もが喜ぶ席だぞ?
それをあんなに離すのかあいつは…しかもちょっと露骨すぎんだろっ。
あいつと出会ってから起こる事全て、初体験ばかりだ
嗚呼全く ーーー面白い。
「これから嫌という程振り向かせてやるよ、小鳥遊。」
どうせ生徒会室で一緒に居る事になる事になるんだ
さて、これからどうしてくれようか
「ーーー取り敢えず、」
シャンデリアの蜘蛛の巣、どうすりゃいいんだ?
(俺でも手ぇ届く訳ないってぇんだ、ったく……親衛隊の奴らを呼んでもいいが、非力なあいつが自分でやったのに俺だけ他人の力を借りんのは、何か癪だな………)
仕方ない
「こういう時は月森に聞いてみっか…」
***おまけ***
[レイヤからの理解不能な電話を取る龍ヶ崎家の月森さん]
※龍ヶ崎家の月森さんはお父さん(経営者)の秘書です。
Prrrrrr……
月「? (プライベートフォン?)」
父「ん、君のプライベートフォンが鳴るなんて珍しいね。いいよ出ても。」
月「業務中に申し訳ございません。失礼致します。
………これは。」
父「?どうしたの?」
月「いえ、社長の息子のレイヤ様より着信が届いておりましtーーー」
ガタッ!
父「何だって!?ちょ、ちょっと、月森出るの待って、母さん呼んでくるから! 母さーんー!!」
母「あら、呼んだかしらあなた?」
父「母さん!あのね、レイヤが月森の携帯に電話をかけているんだよ!」
母「まぁ!あの子が月森を頼るなんて幼い頃以来ねぇ……一体どうしたのかしらっ!月森、早く出て頂戴!」
父「あ、スピーカーにしてくれ!私たちも聞きたい!!」
月「(全く…あなた方はお変わりありませんね。) かしこまりました。」
ピッ
月「お久しぶりで御座います。レイヤ様。」
レ『月森か、久しぶりだな。お前に聞きたいことがあって連絡した。』
月「は、いかがされましたでしょうか。」
レ『シャンデリアの蜘蛛の巣は、どうやって掃除するんだ?』
月「……………………は、?」
父「(ちょ、母さん…っ、くくっ、聞いたか今の!)」
母「(えぇ勿論よあなたっ、あの子の口から〝掃除〟って…っ!)」
父「(しかもシャンデリアの蜘蛛の巣とか……っ、くくくっ)」
母「(ちょ、ダメよっ、私ももう声が出ちゃいそう……っ、」
月「(全く、このお2人は……) レイヤ様、何故そのような事を?」
レ『あぁ? デミグラスハンバーグに負けt、……んなもんどうだって良いだろが。』
月「? (デミグラスハンバーグ?)」
父「(デミグラスハンバーグに…負けた? 何を言ってるんだ息子は…しかもデミグラス…っ) くっ、くくく……っ」
母「(あなた声漏れてるわっ、駄目よっ、わたしももうお腹痛っ…ふふっ)」
レ『? おい月森、聞いてんのかてめぇ。』
月「、は、聞いております。(いかん、レイヤ様の回答があまりにも突拍子過ぎて考え込んでいた。)」
レ『聞いてんならとっととシャンデリアの掃除の仕方教えやがれ。』
月「かしこまりました。先ず始めにーーー」
ポソッ
母さん母さん。
なぁに? あなた。
これって小鳥遊の子のおかげかな。
そうでしょうねぇ、だってこれまでこんな事無かったですもの。
ふふふ。もしそうなら、龍ヶ崎の〝裏の目的〟も、何だか叶いそうな気がするね。
そうねぇ。 大丈夫そうな気がするわね。
やっぱり、今回の婚約は大正解だったかな。
クスクス、どうでしょうね。
何はともあれ、私たちは見守りましょう
あの子たちをーーー
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