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過去編です4
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悠斗ちゃん、俺、日向の順で3人川の字になりながら眠る
楽しくご飯を食べて、ゲームして、一緒にお風呂入って最後まで喋りながら寝落ちした俺達
ただ、最初に寝たのは俺だけであの後にこんな会話があったなんて知らなかった
「ねぇ、そこの優くんのおじさん」
「悠斗な
なんだ、病んだ日向くん」
「そろそろ優くんから離れてよ!!!!
僕がいつまで経っても優くんの一番になれないじゃないか!!!!」
優が寝ていることもあり、声は小さめだがしっかりとした憎悪が含まれている
それを聞かながら悠斗は狂っているな……と思いながらも、起き上がった
「ちょっと外に行こう
ここじゃ、優がいつ起きるかわからない」
「そうですね、でも優くんから離れるのは耐えれないのでそこの机でいいですか」
「あぁ」
優のおでこにキスをしてから、起き上がった日向
それはまるで大切なものを慈しむような顔
だが、その顔はすぐに憎悪に塗れる
「僕の事が1番じゃない優くんも、1番に慣れない原因の、お前も……みんな消えればいいんだ!!!!」
唐突に叫んだ日向
だが、優が起きることは無い
この時のために盛った睡眠薬のおかげだった
そう、もともと日向は今日、優を殺すつもりで、悠斗も殺すつもりで、そして自分も死ぬつもりでいた
涙を流しながら、優を見る日向に思わず悠斗は声をかけた
「お前が今日するであろうことは分かった
ただ、優だけは必ず守る」
「はっ、何を言ってるんですか
まず、あなたから殺すに決まっているでしょう?」
そういい、いつの間に手に持ったのか、日向の手にはナイフが握られていた
「これでも、散々暴力を振るわれてきました
大体の護身術は習わせていただきました、お前を絶対に殺してやる!!!!!」
そう言い、悠斗に向かって一目散にナイフを、刺した
力いっぱい刺さったナイフは、悠斗の心臓近くに刺さり血を大量に流していた
それを見た日向は安心した顔で優の首を締め出した
いくら眠ってるとはいえ、苦しさに目覚め始めた優の目には返り血を浴び、真っ赤に染まる日向が見えた
「ひっ……な、…カハッ……な、ん…で」
噎せながらも、必死に現状を理解しようとする頭は酸欠で朦朧としだしていた
「ごめんね、優くん
でも、もう大丈夫
邪魔ものなんかいない、二人だけの世界に行こう?もう、他人がいる世界は疲れたよ」
ポタポタと涙を流す日向の姿に目を見張った
少しはっきりした視界にうつったのは真っ赤な悠斗
少し意識があるのか、ゆっくりと立ち上がろうとしているところだった
「ゆぅ…と、ちゃっ!!!
たすけ…ッ!!!」
「ごふっ」
助けて、と言った瞬間目の前の日向の口から血が吹き出した
どうやら、立ち上がった悠斗が自分に刺さったナイフを日向の背中に刺したのだ
「優…お前は、りっぱに…い、きろよ」
「やっ、悠斗ちゃん!!悠斗ちゃん!!!おきて!!」
「ははっ、ゆ…らすなよっ
傷が、…い、てぇ」
ははっと、乾いた笑みを漏らす悠斗を見ながら優は必死に叫んだ
「やだやだやだやだやだやだ!!
悠斗ちゃん死なないで!!!!お願いだから、、、死なないで……ふえっ…居なくなっちゃ……やぁ」
「泣くなよ……ゆ、う
元気に……いきろ、って
おまえが……だいす、きだ…か……ら
ぁい、して……」
ゆっくりと瞼を閉じた悠斗を見ながら泣き叫んだ優
あまりの騒がしさにすぐに何かあったと飛び起きた優の両親と姉
優の叫び声は隣にまで聴こえたらしく、秋や、新もやってきた
優の部屋の現状を見た秋は絶句した
小学校五年生なのに、目の前で消えていく人の温もりと命を目の当たりにした優は、正気を保てなくなり壊れかけていた
急いで救急車を呼びながら、医師免許を持っている秋の両親が出来る限りの対処を、悠斗に施した
秋は必死に優を戻そうと頑張るが、ずっと泣き叫ぶばかり
その目にはもう、何も映っていなかった
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