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彼女持ちのせんぱいに恋してるのに兄と幼なじみに猛アタックされてます。
逃亡⑰
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無意識に肩を落としていると、よしよしと頭を撫でられる。
「行ってくるからこれよろしくな。」
「あ、うん……。」
「ごめんな、ずっと死ぬまで一生くっ付いていたいけど……」
「早く行け帰って来んな。」
紙袋を受け取って、ヤス兄と先生と別れて3階へ上がった。
鍵を取り出して、刺し込む。回しても、開錠の音が鳴らない。
……あれ、もしかして開いてる…………?
戸を開けようとした時だった。
「────私、和兎くんのことが好き……っ。付き合ってくださいっ……!」
……うわ、最悪のタイミング…………。
しかも、俺の安らぎの場所で最悪の言葉を聞いてしまった。
……ここに来るだけで先輩と女生徒の告白を思い出すのか……。
何でここなんだよぉ俺のオアシスなのに……!
──うう、やだ……。これはほんとに酷い。
付き合ったりするのかな、どうしよう、俺どうするべき?
立ち聞きは悪いよな。でもお土産置きに来た訳で……。
もしそのまま持って下に降りたとして、ヤス兄が話終わって待ってたら事情を聞かれ先輩に2度と会えなくなってしまうかもしれないのであって。
──うん、会話の聞こえないところで待っとくか。
足を踏み出して、離れようとしたとたん、
先輩の困ったような優しい声が耳朶に触れた。
「──ごめん。俺好きな人がいるんだ。」
────……………………え……
「俺もうそいつ以外とは付き合わないつもりだから……。」
──……う、わ…………
最悪だ……。
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