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彼女持ちのせんぱいに恋してるのに兄と幼なじみに猛アタックされてます。
口付け⑫
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「シュウ、バカなこと考えちゃダメだぞ。」
「……え?」
──ヤス兄はいつも敏感に俺の気持ちを感じ取っては、俺の言葉すら聞かずに解決してしまう。
「俺はお前が幸せなら幸せなんだ……。
ずっとそばにいたいのは、どんなお前でも好きだから。
例えお前が誰かのモノになったとしても、お前が笑顔なら俺は嬉しい。」
……何で、笑うのだろう。
それは、偽った笑顔────…………
──では……なくて……
本当に、幸せそうで、嬉しそうな顔だった。
……何…………で………………
「シュウ?」
「ご、ごめん……俺……っ」
何で、涙が……
「え、ちょ──ッ!?」
胸が苦しい。
鼻の奥が痛い。
涙がどんどん溢れてくる……。
「だ、大丈夫!? 何かあったのか!?
あいつまさかシュウに無理矢理変態的なことを……ッ!!」
首を回し、指をボキボキと鳴らしながら先輩の方へ行こうとする。
────……違う。
肩を回して無防備になったヤス兄の手に、恐る恐る近づけて、そっと触れて握った。
柔らかく、しっとりとした暖かい掌だった。
「え、あの……///」
彼は振り向いて、恥ずかしそうにする。
「……嘘つき。」
「え? う、嘘なんて付いてないぞ……!?」
だから、違うんだよ……。
「嘘つき、嘘つき……っ!!」
「ちょ、シュウ──……っ」
これは、俺の我が儘なんだ。
俺の幸せは、きっと、
「ずっとそばにいてくれるって言ったじゃん……っ」
ずっと、ヤス兄がいてくれたから──────………………
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