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それから子供は2人に全てを話した
自分が吸血鬼と人間の間で生まれた子供である事
それが暮らしていた施設でバレてイジめられた事
そしてとうとう政府に送られそうになったので
ここまで必死に逃げてきた事
それを全て話し終わりおそるおそる上を向くと先ほどまで優しかったヒヅキが怖い顔をして睨んでいた
「っ、、、ごめんなさっ」
愛佳
「あなた、顔怖いわよ」
ヒヅキ
「あ、す、すまん!違うんだよ、お前に怒ってるんじゃないんだ
でもそっか、吸血鬼と人間の子供か」
「…、ごめんなさい」
ヒヅキ
「はは、なんで謝るんだよ」
「だって…」
すると立ったヒヅキは正面から子供の両脇に手を入れ持ち上げた
「!」
ヒヅキ
「こんな可愛い子供を傷付けるなんて許せないなって思っただけだよ」
「、、、かわいい…?」
ヒヅキ
「あぁ、可愛くてあったかくて優しくて、とても愛おしい子だな」
そう言ってヒヅキはその子供と額をくっつけた。
そんなことを今まで言われた事がない子供はどう反応すればいいのか分からず
顔を赤くする
ヒヅキ
「あ、そうだ。行くあてが無いならうちで一緒に暮らさないか?」
「え…?」
ヒヅキ
「うちは見ての通り子供を産むことが出来なくてここに2人で暮らしてんだ。
お前が俺たちの子供になってくれれば、わが家はもっと賑やかになる」
愛佳
「ふふ、そうね」
ヒヅキの提案に驚いて固まっていた子供は我に帰り必死に拒否する
「だ、だめです!俺なんかがここにいたらいつか絶対貴方達に迷惑をかけることになります!」
ヒヅキ
「おおー、元気になってきたな。良い事だ」
「か、からかわないで下さいっ俺はほんきで…」
ヒヅキ
「はは、すまんすまん。それでどうだ?
俺たちの家族になるのは…いやか?」
「っ、いやじゃ、、、ないです…けど、」
不安そうにヒヅキと愛佳を交互に見る子どもの髪を愛佳は優しく撫でた
愛佳
「ふふ、いきなり今日初めて会った人に家族になろうって言われても困っちゃうわよね」
「い、いえ。そんな…」
愛佳
「ゆっくりでいいのよ。貴方が全て決めなさい。
貴方のことは貴方自身が決めるのよ」
「・・・・」
ヒヅキ
「だな、ゆっくりのんびり。お前が好きな時に決めればいい
じゃあまずはそうだな。
お前の名前、聞いてもいいか?」
それが、春人と義理の両親の出会いだった
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