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それから春人はヒヅキと愛佳と暮らし始めた。
一緒に起きて、一緒に寝て
頭のいい2人は時折春人に勉強を教えた。
どこか照れ臭くてぎこちない春人に2人はたくさん構い甘やかした。
一緒に買い物にも行き、近所の人にも紹介をした。
みんな優しくてすぐに受け入れてくれたことに春人はまた驚いた
そんな3人の幸せな毎日の中にも1つだけ悩みがあった。それは
春人
「おぇ…ッゥア…げほっげほっ」
愛佳
「大丈夫よ、ゆっくりでいいからね」
春人
「ごめ、なさ…オェ…っうぐ」
それは春人が食事を一緒に食べたら必ず吐く事
前の施設では皆一緒に食べる決まりがあったらしく、その時にイジメられた事がトラウマとなっているらしい
他にも同年代の子供や若い大人を見ると
ヒヅキか愛佳の後ろに隠れたり、怯えたりするといったトラウマもある春人に
ヒヅキは1つの答えを出した。
それが春人と同じ、吸血鬼と人間の間で生まれた子供達の施設を作る事だった
最初は反対意見も多かったが、村の人々とも話し合い少しずつその計画は進んでいった
そしてヒヅキは村の外から警察にバレないよう慎重に春人と同じ立場の子供を探した
それからヒヅキの家の裏に建てられた少し狭い施設には吸血鬼と人間の間で生まれた子供達が少しずつ集まった
傷だらけの子供、心を閉ざした子供
中には吹っ切れた子供もいた。
最初は怯えていた春人も皆んなの話を不器用ながらも聞くうちに
心を開くようになった。
そして時が経つに連れて施設に入った子供達はみんな
子供達のまとめ役である春人の事が大好きになった。
愛される事に慣れていない春人にとっては戸惑った事だが、しかし確実に嬉しいものだった。
村に隔離された狭く、だが暖かいこの世界が春人は大好きで
ずっとこのまま皆んなと一緒に暮らしたいと願った。
しかし、そんな幸せな毎日は数年後呆気なく打ち砕かれた
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