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「京ちゃん!どうして!?結婚式も迫ってるのに今更…」
「ごめん、美花ちゃん」
「いいえ!!許さないわっ!予定通り、結婚式は行います!」
美花は取り乱し、声をあげた。
けれども俺の気持ちは変わらない。
美花の隣に座る社長の反応が気にかかる。
「…辞めてどうするつもりだ?」
「…考えていません」
「君のような何も後ろ楯なく会社に入ることは難しいのでは?」
「はい。でもやってみなければわかりません」
「気持ちは揺らがない、か」
思ったより社長は冷静に話してくれている。
「私は君のことは気に入っていたのだがね」
「…ありがとうございます」
少し胸にジンときた。
俺にはもう親はいないから父親が生きていたらこんな感じだっただろうか…と思わずにはいられない。
「パパ…っ!」
「諦めなさい。それに美花。お前にも自分を落ち度はあるだろう?」
この人は…。
すべてお見通しなのか?
「悪かったな。君が息子になってくれればと思っていたんだが。娘を甘やかしすぎたせいで君にも迷惑をかけた」
「いえっ!本当に申し訳ありませんっ!!」
素敵な人だ。
「美花ちゃん、今までありがとう」
俺は頭を深く下げて、その場をあとにした。
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