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初サボり
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ガチャ…
「うっ…寒!」
太陽が雲に隠れたせいか昼過ぎでも空気は少し冷たい。
天気予報では暖かいと聞いていたのであまり着込んでなかった。お天気お姉さん、どうしてくれよ。
ここにいたら風邪を引いてしまう。
だけど保健室は確か休みだし、ここでしか暇つぶしはできない。
仕方なく風の向きを避けるように壁のあるところに避難した。
(次の授業まで寝るか…)
体温が逃げないように身体をまるくし、背中を壁に寄りかからせて目を閉じた。
「…ぅ…ゆ、う!」
薄々誰かの声が聞こえた。
やめろよ、俺は眠いんだ。
「ゆう!起きろって!」
今度ははっきり聞こえた。
さすがにその大きな声で目が覚める。
「…ん」
「やっと起きた!」
「、あれ…宏大?」
目を開ければドアップの宏大の顔。
近くでみてもカッコ良くて頭突きしたくなる。
「ゆうが授業サボるなんて俺めっちゃびっくりしたんだからな!」
そんなことを言った宏大に俺は驚きを隠せない。もしかして…
「え…あ!!うそ!次の授業も終わった?!」
「とっくに終わってるよー。まったく何呑気に寝てるんだよ」
や、やっぱり!!!
やらかした!!
あたりを見回すと空はオレンジ色で太陽がいまにも沈みそうだ。
「最悪ー!もうおにぃのせいだぁあ!」
こうなった元凶はあいつしかいない!
俺を空き部屋に連れていかなければ…、あ、あんなことしなければ真面目に授業受けれたのに!!
「なあに?ゆう兄に捕まったの?昼休みそのまま帰ってこなかったしさ」
「…うっ…その、ごめん」
痛いとこをつつかれ、謝ってしまった。
売店行くとき宏大も連れていけばよかったなんて後悔する。
「んーどうしよっかな…俺寂しかったんだからね!」
腕を組んで俺を見つめながら目を細める。
本当に寂しかったのだろう。
「まじでごめん!」
俺も1人にされて、1人で昼食とったら悲しくなる。
「明日俺だけの弁当作ってくれたら許す」
「えー、…だる」
爽やかスマイルと一緒に告げられ心底めんどくさいと思った。
お弁当二つ作るのも苦労するのに、さらに一つ増えたらもう少し早く起きなければならなくなる。
「そんなこと言うなよー。俺本当に本当に寂しかったんだからね!」
仕方ないなー
悪いことしたし、作ってやるか。
「あーーもうわかったわかった!」
「やったね!大きめのな!」
「はいはい」
図体が大きいくせに、子どものようにはしゃぐ宏大が可笑しくて笑ってしまう。
次々と弁当のおかずを注文する宏大にほっぺをつねって「うるさい」と言えば、しゅんと大げさに落ち込み、俺は腹から声を出して笑った。
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