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連れ回される日
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兄は慣れた手つきで美白効果や、足長効果、そしてバック背景などを設定していく。
なにもするコトない俺はその行動をつったってみてるだけで、内心すげぇなんて思う。
おにぃの部屋にプリクラのシールいっぱいあったもんな。ほとんど女の子とだった…
ちくしょう。
「ほら祐介、こっちきて」
「わわっ!」
強引に制服を引っ張られバランスがくずれ、おにぃに抱きついてる体勢になってしまった。
「ご、ごめ!」
「もう大胆だなー」
慌てて離れようとしたら腰をがっちりホールドされ動けなかった。
『私たちは大親友!カメラに向かって可愛いくポーズしてね!』
気づいたら女の人の声がしてカシャリと聞き慣れた音がした。
『うん!可愛い!』
うつしだされた画像は当たり前に俺がおにぃに抱きついてる状態だった。
「…」
「可愛いだって。」
どうみても気持ち悪い写真なのに。
ていうかいい加減離してほしい。
ぐぐぐっと手に力を入れるがやっぱり兄の力には勝てない。
「残念。祐介から抱きついたら離すわけないじゃん」
「さっきのは事故だし、この体勢辛いんだよ!!」
いくら文句を言っても兄は離してくれなかった…。
撮り終わって落書きしてシールをプリントした。
俺はいらないといってシールは全部おにぃがもらうらしい。
なにがいいんだかよくわかんないけど。
ゲームセンターを出て、これでやっと帰れる!と思った俺は家の方向へと歩き出す。
だけどまたもや兄がそれを止める。
「ねぇお腹空いたでしょ」
「あ、そいえば。早く帰って準備しなきゃ」
「んーん。ファミレス行こう」
「俺金ないから帰る」
「奢ったげる」
「ぐえっ」
断ったのに俺のえりを掴んで家とは反対方向へと歩き出した。
もう強引だな…!!
諦めてついていくことにした。
なんだか今日はおにぃに連れまわされる日だなあ。
他人事のように引きずられながら夕日を眺めて思った。
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