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ウサギとカメ3
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「兄さま、それは本当なの?」
亀太郎は家に帰ると、長にラビとした約束のことを話し、妹の部屋に伝えに行った。
妹のとみは希望を見いだせたことに喜びを感じていた。
「ああ。オレがしっかりお前たちを守ってやるからな」
胸を張る亀太郎に、とみは小さく笑ったが、すぐに悲しげに俯いてしまった。
「いいえ、無理よ。兄さまは足が遅いし、お父様も本当はウサギ族に嫁ぐことを望んでいるわ」
嘆くとみを見て、亀太郎は必死に励ました。
「大丈夫!父さんにはもう伝えておいたし、競争だって、何が起こるか分からないだろ?」
「・・・・・・兄さま」
まだ俯いたままのとみをなんとか勇気づけようと、亀太郎はとみの両肩を力強く掴んだ。
「お前は、あの浦島さんが好きなんだろ?だったら、大人しくオレを信じてくれ!」
とみは胸がいっぱいになり、亀太郎に抱きついた。
「え、ちょっ・・・・・・」
「兄さま、ありがとう」
「お、おう・・・・・・」
狼狽する亀太郎も気にせずぎゅうっ、と抱きしめるとみに、亀太郎は無理やり兄面を取り繕った。
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