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ウサギとカメ5
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~ラビside~
「・・・・・・さて」
軽いランニング程度のつもりで走ったのだが、ふと後ろを見ると亀太郎の姿は見えなかった。
足が遅いというのは本当だったのかもしれない。
ラビは走路の分かれ道に来ていた。
左の道の先は行き止まりで、急な坂になっている。
右に曲がればいいのだが、一見左の方が安全そうな道にみえるため、間違えないように矢印の看板が設置されてある。
「よいしょ・・・・・」
はなから亀太郎に勝たせるつもりはなかった。
一応ウサギ族の長に事情を話したが、長は少し不満そうにしただけで、止めはしなかった。
結婚する予定で進んでいるのに、余計なことをするな、とは言われたが。
どのみち紅玉は取ってこないといけないし、久しぶりに体を動かしたいと思った。
だから亀太郎とかけっこだなんていう、くだらないゲームをしてやっている。
ラビは看板を抜き取ると、近くにあった大石に思いきり叩きつけた。
すると、元々脆かった看板は呆気なく粉砕してしまった。
もうこれで、亀太郎はこの先には行けないはずだ。
「これで諦めて帰ってね、亀太郎さん」
ラビは山のふともへそう囁き、祠に向かって歩きだした。
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