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魔法が解ける前に 8
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皆川の家から大学に通い始めて1週間がたとうとしていた。
あの日以来、昴くんからの連絡はない。
当然といえば当然だ。
襲われそうになったあの日、昴くんはオレを追いかけてこなかった。
それはきっと、ものすごく驚いたからだ。
オレの正体に気づいた昴くんの目は、なんだかオレを責めているように見えた。
“嘘つき”と。
だからきっと昴くんはもうオレに関わろうとしないだろう。
連絡してこないのも、なんだかその裏づけのように感じた。
むしろ今は、皆川と一緒に行動しているのがとても楽で安心できた。
やっぱり皆川に頼って正解だった。
きっと皆川はオレの一生涯の親友になるだろう。
今は、昴くんのことは考えたくない。
そんなことを思いながらオレは昴くんのラインのアイコンを眺めていた。
そう、昴くんの側にはもういられないだろうと、諦めていたはずなのに。
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