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俺達の青春
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視点:赤司
君を見つけたあの日。
俺の人生は変わった。
一目惚れだった。青峰の隣に寄り添うよに立っていた君を見て。次に思ったことは、嫉妬だった。
何故、俺が一番に見つけられなかったのかと。けれど、過ぎたことはしかたなかった。
だから、俺は君の特別な人になりたかった。青峰や緑間、紫原、黄瀬のような友人じゃなくて少し違う特別な人に。
俺はその特別な人になりたいために君を一軍に引き入れた。
もちろん、それだけじゃなく帝光中学校バスケ部のために。そして君は、一軍に来た。
青峰の相棒として試合に出る君、緑間や紫原と楽しそうに笑う君や、黄瀬の教育係として頑張って懐かれた君を見て、嫉妬に狂いそうになった。
俺が見つけたのに、俺のものなのに。けど、君が俺の名を呼んでくれるだけで、俺を熱の篭った目で見てくれるだけで、俺は嬉しかった。
そして俺は、君に告白をした。
短い期間だったけれど、俺は幸せだった。例えこれから先、どんなことがあっても君との思い出を思い出すだけで俺は生きていけるそう思っている。それぐらい、幸せだった。
けれど、そんな幸せな日々も長くは続かなかった。
青峰の力が開花した。紫原、緑間、黄瀬、どんどん皆の力が開花した。
紫原が俺に歯向かった。俺は、負けそうになった。だが、赤司家という自分の家のことを考えた時、父のことを考えたとき、俺は絶対に負けてはならないと思い、心を殺すことにした。仲間を仲間とは思わず、君を君とは思わず、駒として。一切の感情を捨てた。勝利を得るために。
俺は、愚かだった。君を傷つけた。
荻原のことを必死に思う君を見て、嫉妬した。心を殺したはずなのに、君のことを考えると心が蘇ってくる。
そして全中の決勝戦の次の日、君は退部届を出して、消えた。
退部届を受け取った後、俺は泣いた。何故、君が離れるまで、気づかなかったのだろうか。君がいないと俺はこんなにも弱い生き物だと。戻ってきて欲しかった。けれど君は俺を、置いていった。
俺は京都の洛山高校に入学した。君は東京の誠凜高校に、入学したと聞いた。
そこで君は、火神という光を見つけた。
WCが始まる前、かつての仲間を呼び出した。そこに場違いな人間がいた。だから、追い払おうとした。
そこに、火神が来た。そこまではよかった。けれど、君がとても嬉しそうに火神に「おかえりなさい」というから、嫉妬にかられた。
それで、あんな暴挙にでてしまうとは俺も子供だったのかと思った。
君の横に俺ではない、誰かが立つことが、あんなにも嫌だなんて。
WCの決勝戦、俺は君に負けた。
内心ビクビクしながら父に負けた。と報告したら、父は、「次がある。頑張れ。」と今まで、言われたことのない、言葉を貰った。こんな言葉を貰えるとは思ってなかった。
そこで初めて俺は、負けてもいいということを知った。まぁ、簡単には負けないが。
だが、俺は嬉しかった。
一生わかりあえないと思っていた父との距離が少し縮まったから。
これも君のお陰。
それからもいろいろなことがあったが、俺達は32歳になった。
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