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無気力な彼らのお祝い
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―――と、突如鳴り響くノックの音。研磨にマウント状態の赤葦が猫以上のしなやかさでベッドから降りると、美しい正座をした。
2、3回ノックがすると、扉が開かれる。そこからは、ヒョッコリと顔を出した研磨の母が立っていた。
「母さん…?」
「研磨、あなた友達が来てるっていうのに寝っ転がらないの。ごめんなさいね、赤葦くん」
「いえ、全然問題ありませんから」
いつの間にか顔の傷は消えており――あの数秒間で何があった――爽やかなあの笑顔に戻っている。
適当に会話を済ませ、去っていく母の後ろ姿を見送りながら「何故部屋に入ってきたのか」を考える。特に何もせずに部屋に訪れたという事は、バレたかとも思ったがそれはないだろう。と、信じたい。
くるりと振り返った赤葦が、妙に笑顔なのは黙っておく。そこはツッこんでいけないような気がして、まじまじと見つめあった。
「研磨、ごめんね」
「…!?……う、うん」
突然謝り出した赤葦に不審がるや否や、即座に口を開いた。
「明日に備えて精液は溜めておこうね」
「ッ何言ってんの…!!!」
嫌な予感はしていたが、こうもあっさり固有名詞を出してくるとは思っていなかった。
明日の日向との性行に備え、今日はもうお開きと言った赤葦が1番危ないような気がした。が、そこには敢えて触れないようにする。
――…翔陽、大丈夫かな……。
そんな不安を抱きながら、帰っていく赤葦の髪の毛を見ていた。
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