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人狼ゲーム
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正直、誰が人狼が分からないから、取り敢えず気取っておこう。
そう考えていた黒尾と木兎は、いよいよこの手は通じないか、と感じ始めていた。
予想以上の意欲と圧に、序盤は押し潰されそうだったが、手元のドリンクを飲むと、大方和らぐ。これは、中心のお菓子にも手を出していいかもしれない……。
とは、決して思っていない。というか寧ろ、お菓子に手を出した人物が人狼だと考えても良い。
理由は、明白である。
この何とも言えない、緊迫した空気に耐えられなくなった者が、先にお菓子に手を伸ばすのだ。
甘いものを食べて、誰が人狼かを考えられるか、という脳の仕事に糖を投下する気なのだ。その危険性がある人物は、赤葦である。二人揃って赤葦に表を入れるつもりだ。勿論、話し合ってなどいない。木兎は一方的な理由かもしれないが、黒尾はしっかりと考えた結果が、赤葦だったのだ。
もう一度、各々の飲み物に手を伸ばそうとした瞬間、機械音というか電子音が鳴り響いた。
「!」
はっと顔を上げると、モニターに映る時間は0で止まっていた。いつの間にか、時間が過ぎていたらしい。
電子音が鳴り響いた後、清水の透き通る声が耳に届いた。
「では、投票をはじめて下さい。時間は1分です」
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