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バカ
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隣を歩く相棒が、頭をさすりながら奇妙な声を発していた。その様子を見た岩泉は、少しだけ目を泳がせながら謝罪する。
「痛かったか…?」
「うん。ウルトラスーパー痛かった」
「なんだそれ」
呆れ半分、反省半分混じりの言葉を紡いだ。その様子を見ていた及川は、フッと笑うと岩泉に抱きついた。
「何だよ!」
「岩ちゃん大好きー!」
突発的に叫ばれた。その声が夜道に反響する。
岩泉は顔を真っ赤にしながら、抱きつく及川を振り払おうとする。が、彼は思うように離れてくれない。
「声がでけえんだよ!!」
今の「好き」は、恋人とかの「好き」とかではない。 しかし、心臓の鼓動は早いままで、遅くなるなる事を知らない。
及川は、口元を尖らせつつ、上目遣いで愚痴を零した。
「岩ちゃんは俺の唯一の幼なじみだよ?遊ぶも寝るもお風呂入るもず――っと一緒で……あ!そうだよ岩ちゃん!お風呂で思い出したんだけど、あれからチンコの皮ちゃんと剥けた?」
「何年前の事をでかい声でほざいてんだテメェは!!」
近くにいた黒猫が、目の前を通り過ぎた。おそらく、今の怒号で驚いたのだろう。
赤面しながら睨む岩泉を、嘲笑うかのように及川は続けた。
「あ、剥けたんだ。よかったね」
「よかったね、じゃねえよ」
怒りがピークに達しそうな幼なじみを見て、相棒は1歩引いた。
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