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王子さまの裏の顔
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「じゃこのことは俺たちだけの秘密だよ。」
中田はすっと立ち上がって携帯をしまった。
秘密、とか変な感じで言うなよ。
脅してるだけじゃねーか。
そう言おうか迷ったけど、止めておいた。
反論したら何されるかわからないし。
中田は屋上から、出て行ってしまった。
普段のあいつのことだ、優等生が授業を
サボるわけにはいかない。
俺も、今日は朝から授業に出ようかななんて
思った。
立ち上がるとまだ少し、ふらっとしたけど
我慢して歩き出した。
階段を降り、クラスの前へ行くと
女子たちが騒いでいた。
「…あいつ、同じクラスじゃねーか…。」
全く気づかなかった。
あれだけ女子に騒がれているのに気づかないとか俺どんだけ無関心なんだよ。
てか、これ絶対逃げられないパターン…。
俺はこっそりとドアの横にいる中田から隠れながら入ろうとした。
すると、中田はニッコリといつもの
笑顔でおはよう、なんていってきた。
俺は余裕なそいつがムカついて、
チッと舌打ちしながら横を通り過ぎる。
「なにあれー、ひどーい。」
なんて、女子の怒りが聞こえてきたけど、
関係ない。
俺は、すっと席について机に頭を預けた。
その後ろで、黒く微笑んでいる中田に気づかずに。
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